長引く不況や物価高、また数年に渡った新型インフルエンザや多発する自然災害、そして我が国は世界に類を見ないほどの少子高齢化が進んでおり、経済的な先行きを案じている人も多いはずです。
そんな背景もあって昨今、少しでも経済的な安心を得たいと投資の勉強や、実際に投資を始める人は増えています。経人気の投資は、今も昔も「株式投資」や「投資信託」また最近では「NISA」や「iDeCo」などの金融商品が大きな話題となっていますが、同じく「不動産投資」も再注目されているようです。
不動産投資は、字のごとく不動産物件の大家さんになって賃貸料を収入とする投資方法です。金融投資よりローリスクな案件が多く、また物件次第ではそれなりの収入を安定的に得ることができるので、おすすめの投資のひとつだと言えます。
また不動産投資は、賃貸収入を得るだけでなく、手持ちの不動産の値上がりによる売却利益も期待出来たり、ご自身の資産として物件が手元に残るなどのメリットも見逃せません。
ここでは、不動産投資をするにはどのくらいの利回りを目指すべきか、その種類や計算方法、そして高利回りの不動産物件はどんな特徴があるか、利回りを良くするにはどうしたらいいか、などの疑問について触れていきたいと思います。
不動産投資に興味ある方はもちろんのこと、利回りについて勉強している方や本格的にいい利回り物件を探しをスタートしている方、そしてすでに不動産投資を始めているという方にも役立つ内容になっています。是非読んで参考にしてみてください。
不動産投資利回りの最低ラインはどのくらい?
不動産投資をするうえで、一番大きなポイントは「利回り」です。計算方法は後ほど詳しく解説しますが、目安で何%くらいあれば投資は成功と言えるのでしょうか?
気になる不動産投資利回りの最低ラインは何%?
よく言われている不動産投資の目安利回り最低ラインは、表面利回りで5%、実質利回りで3%だという見解が多いです。この2種類の違いは後述しますが、最低このラインをキープすれば投資は成功だと言えそうです。
ただ、実際投資するにあたってこの数値はあくまで参考程度にしておいた方がいいようです。利回りの%だけを見て数字以上の利回りの物件を得ようとすれば、思ったほどの収益が出なかったり、最悪赤字になってしまう場合もありますので注意が必要です。
理由はたくさんありますが、わかりやすいものをいくつか挙げていきます。
購入エリアによって利回りは異なる
当然ですが、例えば都心部の物件とそれ以外の物件とでは利回りの差が大きいです。公的なリサーチによると、我が国の全国平均だけを見ると7%前後。
対して首都圏では6.82%、そしてローカルエリアでは15%を超える高利回り平均のエリアもあります。ですからエリアによって約2倍の差がつくことも珍しくありません。
なぜこのような事が起こるかというと、単に購入価格の差です。ざっくりみても家賃の平均相場は全国的にそんなに大きく差は出ません。
しかし首都圏エリアと地方では、地価や物件の売買価格がが何倍、何十倍にも差がつくことが多いです。つまり都心部では、購入価格が非常に高いうえに家賃を多少高く設定しても限度があります。
よって都心部での投資利回りは理想より低くなるケースが多いという訳です。
物件の築年数によっても異なる
不動産の建物部分は、築年数により価値が下がっていくのは当然のことです。ゆえに家賃相場も下げなければならず、そのままにしておけば利回りは減っていきます。
ただ、後述しますが、条件を満たせば築年数が経っていても理想の利回りの物件は多いです。
立地条件による利回りの差
では、上のようなマイナス条件をクリアすれば、利回りのいい物件が手に入るかと言えば、難しいところです。というのも不動産物件は立地条件によって収益が左右されます。
単に人気エリアだとか、現在利回りが高い立地だと言っても、将来ずっとそうであるとは考えられません。
立地しているエリアが区画整理に入っていたり、近くに大きい道路が通ったり、大きい商業施設や総合病院ができると人の流れも相場も変わってきます。
もちろん、近隣に同じ間取りのマンションが安く建ってしまうと、そちらに人が流れてしまうことはよくある例ですね。
以上のようなことも織り込んで、最低利回り以上をキープできるよう、慎重な物件選びや運用が必要となってきます。
不動産投資利回りの種類
では、不動産投資をするにあたって最も重要な利回りにはどんな種類があるのでしょうか?
ここでは大きく2つの見方から解説していきます。
表面利回りと実質利回り
不動産投資の収益性というものにフォーカスすると、表面利回り(グロス利回り)と、実質利回り(ネット利回り)に分類されます。
それぞれ見ていきましょう。
表面利回りの算出方法は、実際の投資金額(物件価格)に対して1年間で得られる家賃収入の割合です。表向きの計算方法なので「表面」という言葉がついていますが、実際に業界から出す広告などに一番よく使われる利回りがこの「表面利回り」です。
この利回りは満室を想定した利益ではなく、物件購入時点で実際に埋まっている室数で計算されます。例えば12室のマンションのうち、空室が2室あれば10室が計算対象になります。
実質利回りは、家賃収入から諸経費を差し引き、さらに物件価格(諸経費込み)で割った数値をパーセンテージで表したものです。
投資案件と購入した不動産は、当然のことですが様々な諸経費や税金がかかってきます。月々かかる経費としては、管理費、修繕積立費、固定資産税、都市計画税などがあります。これらを合計して家賃収入から引きます。
更に、その物件の購入時価格からも諸経費を引きます。購入時の経費は、入居者募集の広告費や不動産仲介手数料、登記費用、さらにはエアコン交換やガス器具、キッチン、バス、トイレなどの設備を更新する費用など項目がたくさんあります。
実際の不動産投資物件の広告などは、表面利回りで表記されますので、その高さだけで判断すると後悔することも多いです。
投資物件を購入する際は、まずいくつかの物件を選んで、実質利回りを良く計算し、利益をシミュレーションして購入することをお勧めします。
想定利回りと現行利回り
ここまで説明した表面利回り・実質利回りは、その収益性にスポットを当てて算出したもので、実際の投資選びに実用的な計算方法です。不動産投資ではその他に、「想定利回り」と「実質利回り」という分け方もあります。
よく広告などに表記される名前なので意味だけでも把握しておけばいいでしょう。
想定利回りとは、簡単に言うとその不動産が常に満室、100%の稼働状況での利回りを表現し、また算出している数値です。現在空室であってもその家賃収入も計算に入れますので、実際に満室じゃないと正確ではない「理想の」利回りです。
この想定利回りは、不動産会社が出す広告に表記され、実際の投資には使いません。ずっと長年途切れることなく、居住100%の物件なんてまずありえないですからね。
こちらは想定利回りとは異なり、実際の居室(空室)状況をきちんと収入に加味した算出方法です。こちらは想定利回りと違い、原則広告表示はされません。そしてもちろん、実質利回りのように諸利益は差し引いていないです。
次に、それぞれの計算方法を詳しく見ていきましょう。
不動産投資利回りの計算方法
ここでは、前章で説明したそれぞれの利回りの計算方法を見ていきます。計算方法をきちんと理解すると物件選びに大いに参考になります。
表面利回り(グロス利回り)
表面利回りの計算式は実際の家賃と物件価格がわかれば算出できます。表面利回り計算の公式は、
表面利回り = 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100(%/年)
例えば、年間家賃収入が200万円、空室が10%(つまり居室90%)、物件の購入価格が3,000万円、として計算してみます。
( 200万円 × 90% ) ÷ 3,000万円 × 100 = 6%/年
つまりこの物件の表面利回りは、6%/年ということになります。
続いてもっと現実的な運用に近い実質利回りにいきましょう。
実質利回り(ネット利回り)
実質利回りは、月々かかる諸経費プラス購入時にかかった諸経費も加味して利回りを算出します。実際の公式で表記すると、
実質利回り=( 年間家賃収入 – 年間諸経費 )÷( 物件購入価格 + 物件購入時の諸経費 ) × 100(%/年)
こちらも上の表面利回りを計算した同じ物件にあてはめて例えてみます。
- 年間家賃収入は200万円、居住90%なので、年間家賃収入は200万円×90%で180万円
- 物件購入価格は3,000万円
これにプラスして、
- 年間諸経費合計は25万円
- 物件購入時の経費は30万円
これでそれぞれの数値を入れていきます。
( 180万円 - 25万円 ) ÷ ( 3,000万円 + 30万円 ) × 100 = 5.1%/年
つまり実質利回りは表面利回りより1%ダウンして5.1%となります。
双方の違いは、実際にかかる維持管理費や修繕費、税金などの諸経費を加味するかしないかです。よって実際に近い投資物件選びは、実質利回り(ネット)を細かく見ていくことは言うまでもありません。
想定利回り
想定利回りの算出方法は、物件の空室ゼロ、つまり満室状態で計算します。居住100%の時の年間の賃料を、販売価格で割ってパーセンテージで算出した値です。
上と同じ例で行くと、
200万円÷3,000万円で算出しますので、想定利回りは6.7%ということですね。
想定利回りは満室を想定しているので目安程度にしかなりませんし当然高い数値が出ます。ですから広告の宣伝文句によく使われる理由です。
現行利回り
現行利回りは想定利回りと違い、空室分のマイナスをちゃんと織り込んだ数値です。計算式にすれば、
現行利回り(年)= 年間家賃収入 ÷ 購入価格
ここでお気づきでしょうが、現行利回りは表面利回りと同じ数値です。想定利回りに対して現行はどうなっているかという意味で使われる言葉です。
実際の不動産投資におけるの利回り計算材料は前半の2つ、「表面利回り」を参考に物件をピックアップしながら、それぞれの「実質利回り」で細かく計算されるのが一般的です。
不動産投資利回りが高い物件の傾向や特徴
「思い切って不動産投資に挑戦してみよう!」と思っている方、どうせなら利回りが高い物件をゲットしたいですよね。まず利回りの一般相場数値を把握しておくことで、高利回りの物件を見つける参考になります。
あくまで標準ですが、例えば都市部でいうと新し目なワンルームで4%前後、築年数が20年以上だと約5%~8%にもなります。(この差はこの章の項目で説明します。)
では、実際どんな物件が高利回りなのか?他と比べて何が違うのか?押さえたい傾向や特徴を説明ていきます。
物件価格が安い
ここで物件価格が安いのは主に中古物件です。新築に比べ購入価格がぐんと抑えられ、そのうえ家賃は新築の頃と比べてそれほど下落してなければ狙い目です。
地価相場の安いロケーションにある
不動産投資をよく知らない人は、「都心部の駅近のマンションとかが人気物件なので、投資にも向いてそう。」と思われている向きもあります。
しかしこれは投資という世界での判断としては間違いです。実は地価の安い地方の物件の方が投資に向いていますし、利回りも高くなります。理由は上と同じく購入価格がリーズナブルとうことです。
不動産投資の基本なので、必ず押さえておくといいでしょう。
想定利回りのみ表記の物件には注意する
ここまで読んできた方にはもう十分お分かりだと思いますが、物件が常に満室稼働の状態の収益である「想定利回り」の数値は、判断基準から除外したほうがいいでしょう。
不動産投資をしていて直接痛手を被るのは「空室が多い」ということ。入居率の低い物件は、維持費がどうこう以前に収益が下がってしまいます。
現行の空室率は真っ先にチェックすべきポイントのひとつです。
管理するための費用が安い
投資物件の広告は、想定利回りや表面利回りをうたっている事が多いので、実際に近い実質利回りで物件探しをしましょう。
ただ単に「実質利回り〇%!」と書いていても、管理費や修繕費など諸々のコストを安く見積もって設定していれば、当然実質利回りの%も上がります。
同じような物件でも管理コストは大きく変わってくることもしばしばあります。まず管理コスト=実際の出費を想定し、よく計算してから物件選びをするとよいでしょう。
単身者向けの物件
単身者向けの物件は、近くに大きい会社が多いとか、工場団地に囲まれているとか、大学や専門学校などが多いエリア近隣に集中しています。
いわゆるワンルームタイプの「1K」や「1R」などの物件がほとんどになります。また学生の住むエリア(学生街)などは、期の初めの春になれば定期的に退去・入居がたくさん出ます。
このようなエリアで物件を取得し、なおかつ他の物件より居住空間を充実させる工夫をすれば、とうぜん入居希望者も多くなります。結果としてエリアの中でも高利回りが期待される物件になります。
家族(ニューファミリー)向けの物件
上の単身者向けの物件とは相反しますが、若年層(ニューファミリー)向け賃貸マンションも、物件選びを間違えなければ狙い目です。
ただし購入価格は単身向け物件より高額にはなりますが、入居者が数年で入れ替わる部屋が多いため、安定的な利回りが期待できます。
ニューファミリー、つまり小さい子供連れの家族は近い将来、戸建てマイホームや分譲マンション購入と引っ越しを計画している確率は高いです。
また、子供が小さいうちは両親(特に父親)の転勤によって引っ越しすることも多く、居住の回転率を高めます。その入れ替わりのタイミングで居住空間の充実を図る事ができ、同じエリアの中でも人気物件になりやすいです。
また言うまでもありませんが、近くに保育園や幼稚園、学校、公園やスーパー、コンビニはもちろん、病院やショッピングモールなどの複合商業施設などが充実していればいるほど人気エリアであり人気物件も集中します。
不動産投資利回りを改善させる方法
「思い切って不動産投資に手を出してみたものの、期待した利回りに届かない。」「広告の想定利回りが高いといううたい文句につられて買ったが期待した利回りになかなか届かない。」という声も少なからずあるようです。
同じ投資でも金融投資、例えば株式投資は損切りして次の銘柄を狙うなりするなど簡単に対策が打てます。
しかし不動産となると、そうやすやすと現物件を売って次の物件を探し購入する、と言うわけにはいかないのが現状です。買ってしまった物件の利回りの改善を考えなければいけないのが現実的です。
ここではそんな低利回りの不動産物件を少しでも改善させる方法をいくつかご紹介します。実際に困っている方は参考になる項目もあるはずです。
共用部清掃や植栽管理などを入れてみる
物件を選ぶお客さんの立場になって考えてみてください。
同じ間取りや条件でも、外観や共用部がきれいな物件と、反対に汚れていたり雑草が伸び放題という物件とでは、どちらを選ぶかは明らかですよね。
業者に依頼して共用部の清掃や植栽、草取り等を入れると、綺麗さをキープすることができ、実際に入居率もあがることが多いです。低予算で改善可能ですので定期的に実施するのがいいでしょう。
賃料を見直してみる
近隣に同じ間取りのマンションがあり、かつ内容もほぼ同条件なら、思い切って賃料を下げてみるのもありです。
月額の家賃が1,000円でも安ければ、あなたの物件が選ばれることになり、値下げ部分は空室が一つか二つ埋まればペイできることがほとんどです。
入退居時の費用を見直す
ここ最近では多いのですが、「敷金・礼金ゼロ」など、初期費用を抑えることで入居率を上げる事が出来ます。
また契約書に、退去の際に返金する金額や退去費用負担はここまで、と明記するだけで、入居者の退去時の出費の不安も解消してあげることができます。
リフォームする
クロスや床を張り替えてみる、和室を洋室にする、2部屋をつなげて広いリビングにする、ウォークインクローゼットを作ってみるなど、築年数が古い物件も費用をかけて人気の間取りやデザインにすることで入居率を上げます。
リフォームには相応の出費が必要ですが、古くさい昔ながらの間取りではいつまでたっても人気の物件にはなりません。
外観そのものを刷新する
築年数が古いマンションは、思い切って外壁塗装をしてみるのも手です。
費用は結構かかりますが、パッと見のイメージが全然変わりますので、費用を捻出できる方はぜひやってみるべきです。
人気の設備をつける
無料Wi-Fiなどのインターネット無料環境、システムキッチン、エントランスのオートロック、お風呂の追い炊き機能、宅配ボックスの設置、24時間利用化のゴミ箱、ホームセキュリティー、浴室乾燥機など人気の賃貸物件にはそれなりの設備がついています。
そして近い将来には標準装備もあたりまえ、の時代も来ますので、費用対効果を見つつも積極的に導入するのがいいでしょう。
入居条件を変えてみる
ワンルームならセキュリティ面を強化し、女性専用に変えるだけで入居率は上がります。また外国人の入居や、生活保護受給者も可能な物件にすれば、入居の受け入れの間口が広がります。
さらに最近ではペット可マンションや、ルームシェアOKにしたり、オフィスとしての使用もOKの物件も増えています。
ただし退去の際の条件やトラブル対策を入念に準備したうえで入居条件を変える必要があります。特にペット可マンションは、退去の際の契約(原状回復の事など)さえきちんとしておけば、簡単かつ即効性があります。
管理会社を変えてみる
きちんと準備はしているのに、なかなか入居率が上がらない、という場合は思い切って管理会社を変えてみるのも手でしょう。
もしあなたの購入した物件の管理会社が、ずっと変わらない経営をしていればいつまでたっても改善はされません。
口コミなども参考にして、その街で人気物件をたくさん抱えている管理会社をいくつかあたってみて交渉するのも手です。
支出を見直してみる
いくらいい物件に見直していても、無駄なコストがかかっていれば回収率はいつまでたっても上がりません。
例えば退去後の原状回復の費用や管理委託手数料、そして入居募集の広告費用がこれにあたります。管理会社に交渉するか、それでだめなら業者を変えてみるのも手です。
それぞれの費用ごとに業者から相見積もりを取って、品質を落とさず低価格で受けてくれるところを選びましょう。
いかがでしょうか。入居率を上げることによって回収率を上げるアイディアは探せばたくさん出てきます。
ここで大事なのは目先の利益だけにとらわれず、長い目で見て考えて判断してください。
例えば部屋のリノベーションにはかなりの費用がかかります。それを回収するのはどのくらいの期間を要するのか、また周りの物件はどうしているか、などは参考になるでしょう。
不動産投資利回りに関するよくある質問
ここでは、不動産利回りに関してよくある質問をまとめてみました。よろしければ参考にしてみてください。
Q.新築マンションより中古マンションの方が利回りがいいのはなぜですか?
A.いっけん新築マンションの方がいいように見えますが、新築は将来想定される賃料値下げ、管理組合への費用の値上げ、修繕コストも割高が予測されます。
対して中古マンションは、運用するコストが履歴に残っていたりしておおむね読めますし、新築に比べ修繕コストなども割安な為、必然的に利回りはよくなります。
ただ、新築マンションも将来的に耐用年数が長いなどのメリットがあります。
Q.数ある投資の中でも利回りを考えると不動産投資がいいという理由は何ですか?
A.不動産は、株式や為替などと決定的に違うのは、状況(市場)全般が読みやすく、利益=利回りの計算がしやすいことです。
物件選びさえ間違えなければ、運用自体も比較的簡単で、リスクとリターンも安定化してきますので、必然的に利回りも安定します。
また、資産になるという面でも金融機関に信用があるなどの理由が挙げられます。
Q.不動産投資を始めるにあたり、最初に準備する自己資金はいくらくらいがいいでしょうか?ゼロでもOKいう広告も見かけますが、利回りを考えると多い方がいいという意見もありますが…
A.自己資金がゼロから始めることも可能です。
しかし肝心の利回りを考えると月々の返済が多くなり楽ではありません。自己資金(頭金)は多いほどいいのは当然ですが、一般的に購入費用の20~30%あればいいと言われています。
狙っている物件に当てはめて返済シミュレーションをしてみればいいでしょう。
Q.築年数が古いマンションを買った場合、利回りが見込める室数入居があるか不安です。
A.例えば築30数年といえば、古いマンションといったイメージはありますが、きちんとリフォームやメンテナンスなどが行われていれば、そんなに古めかしさを感じることも有りません。
加えて同じエリアの同じ間取りの新築物件より家賃が安いので入居者で満杯になる、といったケースも多く、当然利回りも高くなります。
Q.物件の居室の修繕・改修費用、外壁塗装などのコストはすべて負担しなくてはいけないのですか?利回りの低下になりませんか?
A.結論から言うと、すべてオーナー負担ではないです。
入居者が出ていくときに契約時に交わした原状回復費用は基本的に入居者負担です。
ただ、賃貸契約の内容によって変わりますので、管理会社が契約時にしっかり説明しておくことも大事です。また外壁塗装や植栽剪定などの建物自体や共用部にかかる費用は当然オーナー負担です。
そのあたりにかかる費用は事前にシミュレーションし、見積もっておけばいいでしょう。
Q.単一のワンルームマンション投資、区分投資の方が投資額が少なくていいように思いますが利回りも含めてどうでしょうか?
A.確かに単一のワンルームマンション投資、または区分マンション投資は、リーズナブルな予算で運用できるというメリットがあります。
半面、空室になった時のダメージが大きい、節税効果が少ない、そして居住条件をマンション全体に合わせる必要がある、などのデメリットがあります。
何より思ったより収益性が低くなりやすく、利回りの悪化も招きやすいので、正直あまりお勧めはしません。
Q.実質利回りの計算をするときの経費って、どういうものがあるのか具体的に教えてください。
A.実質利回りを計算するときの費用は、項目で見るとたくさんあります。
まず購入時には、仲介手数料や契約書の印紙代、登記費用、火災保険料、事務手数料、取得税などがあります。
また、運用時にかかる経費は、管理費、固定資産税や都市計画税などの税金、清掃費用、設備機器のメンテナンス費用、原状回復費、消防点検費、共用部分の水道光熱費、修繕積立費、地震保険、また住居者募集の広告費などがあります。
まとめ
不動産投資は数多くある物件から利回りのいい物件を選ぶ目が必要になってきます。
単に「ここは人気の物件みたいだから利回りもよさそう。」「不動産広告のオススメ物件だから」と安直に決めると、後々痛い目に合うことも多いです。実際にしっかりと利回りをシミュレーションすることが非常に大事です。
ただし現在利回りがいい物件を購入しても、周辺の状況が変わると空室が目立ったり、家賃相場が下がったりします。そういう変化は利回りは下がってしまいます。
そういったリスクを下げるためにも、空室を少しでも減らすための対策をしましょう。対策方法は上記に書きましたが、たくさんあるほど利回り改善の武器になりますし、また物件選びの時には将来にかかるコストなどのシミュレーションをするのにも役立ちます。
不動産投資は、物件選びと利回り改善のコツさえつかめば、長期にわたってあなたの資産形成などに役立ちます。
上記に説明させていただいたことを参考にしたり、信用できる専門家にも相談したりしながら、いい物件=利回りが安定して高く見込める物件を手に入れましょう。