年収1000万はすごい!勝ち組?手取りはいくら?税金や生活レベル・目指せる職業を解説

年収1000万はすごい!勝ち組?手取りはいくら?税金や生活レベル・目指せる職業を解説

年収1,000万円の生活。

良い家に住み、高級車に乗り、子どもは私立に通わせる・・・。

長期休暇は海外旅行に行き、海外で年越しなんて生活をイメージするのではないでしょうか?

そんなイメージもあって、もっと稼ぎたいと思っている人のひとつの目安になっているのが「年収1,000万円」です。

しかし、一方で給与が上がれば上がるほど税金も高くなる日本の税制度。

この記事では

  • 年収1,000万円の生活が気になる方
  • 年収1,000万円を目指している方
  • 年収1,000万円が見えてきたけれど節税対策など先に知っておきたい方

このような方へ年収1,000万円の手取りではどんな生活が送れるのか、1,000万円を目指せる職業とは何かを解説していきます。

目次

年収1000万の人の手取りはいくら?勝ち組?

イメージが先行しがちですが、実際に年収1,000万円は勝ち組なのでしょうか?

税金や控除なども含めて、年収1,000万円の実態を見ていきましょう。

年収1000万円は勝ち組

国税庁の令和4年度の民間給与実態統計調査によると給与所得者1人当たりの平均は458万円。
「出典:国税庁│令和4年分 民間給与実態統計調査 第16表

男女別にみると、男性563万円、女性314万円。給与所得者にはパート・アルバイトなど非正規雇用も含まれています。

年収1,000万円は平均給与の倍以上となっており、年収1,000万〜1,500万円台を稼ぐ人の割合は全体の4%

それ以上の人を含めても給与所得者の上位5.4%(令和4年)であることから、20人に1人程度の割合で、単純に収入という点では勝ち組と言えるでしょう。

年収1000万円の手取りはいくら?

年収1,000万円の手取りは730万円前後。前後となるのは扶養控除などあり、その人の状況により異なるためです。

手取り計算において引かれる要素は税金(所得税と住民税)社会保険料(厚生年金、健康保険、介護保険、雇用保険)で基本的に年収額に限らず同じですが、日本は税制上、稼げば稼ぐほど手元に残りづらい構造になっています。

年収1000万の人の生活レベルはどんな暮らしになる?

実際、年収1,000万円の生活レベルはどんな暮らしか見てみましょう。

手取り年収730万円のため、手取り月収は約60万円(ボーナス加味せず)

家賃は収入の25%〜30%で考えるとファミリー向け賃貸で且つ少し良いグレードも容易に借りられる水準です。

住宅ローンにおいても5,000万円〜7,000万円も組める可能性がありますので都内でも家が購入できる余裕はあります。

では、高級車や子どもの私立入学なども考えていくとどうなるのでしょうか?

年収1000万は生活苦しい?

独身世帯夫婦のみ世帯子ども有世帯
家賃・住宅ローン150,000200,000250,000
光熱費20,00025,00030,000
食費60,000100,000120,000
通信費10,00015,00020,000
交通費5,0008,00010,000
養育費0050,000
保険代5,00010,00020,000
娯楽費60,00050,00030,000
雑費10,00015,00020,000
貯蓄280,000187,00070,000
「出典:公益財団法人生命保険文化センター 」※本データを元に都市部住まいを想定して補正

一人暮らしの場合、かなりゆとりのある暮らしと言えます。

高級車のローンを組んだり、高級賃貸に住むことも可能ですし、余裕資金として投資に回して資産形成にも挑戦できるでしょう

一方、既婚&子ども1人世帯であっても節約を意識するほどではない水準と言えますが、贅沢ばかりしていけるわけではないことがわかります。

子どもが2人目、3人目となると家のグレードを落とすなど検討しないと少し苦しい水準とも言えるでしょう。

子ども一人を育てるのに全て公立で約2,460万これが全て私立だと3,920万かかると言われています

年収1,000万円となると私立に行かせてあげたいと思う気持ちもわかりますが、全て公立と全て私立に通った場合は実に1,000万円以上もの差が出てしまうのです。

また、小さいころからいろいろな経験させてあげたいというのも親心ですが、習い事も安くはありません。

富裕層の家の子どもの習い事としてゴルフを例にあげると、多くのプロゴルファーが小中学生の頃からゴルフを始めていますが、プロゴルファーを育てるには5,000万円かかると言われています。

教育費破産という言葉があるように、年収1,000万円と言えどよく考えて選択していかないと安心はできないことに注意しましょう。

受けられない・減額になる公的控除がある

国から補助金の話が出るたびに「年収条件」の話が取り上げられることがあります。

1,000万円稼いでいると対象から外れる公的控除もあるので良く確認しましょう。

配偶者控除

「出典:国税庁│配偶者控除

配偶者控除とは配偶者が控除対象(年収103万円以下等)の場合一定金額の所得控除が認められる制度です。

配偶者控除は所得が900万(年収約1,095万)を超えると段階的に減っていき、所得1,000万(年収約1,195万円)を超えると利用できなくなります。

児童手当制度

「出典:内閣府│児童手当制度の概要

児童手当制度は中学卒業までの児童がいる家庭に支給される手当です。

本来3歳未満の子どもがいる家庭で15,000円/人、3歳以上〜中学生までは10,000円/人もらえる制度ですが、扶養人数と所得条件により5,000円/人に減額か貰えなくなることがあります。

高等学校等就学支援金制度

「出典:文部科学省│高等学校等就学支援金制度

高等学校等の授業料の一部軽減か全額負担をしてくれる制度ですが、所得要件が「年収910万円未満」となっており、年収1,000万円は対象になりません。

年収1000万を超えたら税金はどのくらいになる?

給与所得にかかる税金は所得税と住民税です。

手取りは730万円前後とお伝えしましたが、実際に1,000万円を超えるとどれくらいの税金を払うことになるのでしょうか?

日本の所得税は累進課税制度をとっており、収入が高くなれば高くなるほど税率があがる仕組みです。

所得税率

「出典:国税庁│所得税の税率

1,000万円の場合の税率は上記の通り33%です。

正式には194.9万円までが5%、329.9万円までが10%と段階ごとに計算されますので1,000万円満額に33%かかるわけではありませんが、年収900万円を超えた時点で一気に高くなり大きな負担となります。

また、所得税は課税所得にかかるものであり、課税所得とは社会保険料控除などを差し引いた額なので年収1,000万円の場合、約83.2万円/年が所得税となります。

一方で住民税は課税所得に対して一律10%で計算されるため、約64万円です。

結果、所得税+住民税で実に147.2万円も払うことになっており、この税制こそが手取りが少なく見えてしまう理由となります。

年収1000万は何人に一人の割合か調査

年収1,000万円は勝ち組かでお伝えした通り、給与所得者の内上位5.4%

20人に1人となりますが、年齢、男女別でどれくらいの割合でいるのでしょうか?

厚生労働省の令和元年の賃金構造基本統計調査に参考データがあります。

年代別
20代0.0%0.0%
30代1.2%0.5%
40代3.5%1.2%
50代7.7%1.6%
60代2.1%0.5%
「出典:厚生労働省 令和元年賃金構造基本統計調査の概況

本概況より月収80万円以上を年収1,000万円としてみていますが、データの算出方法上、残業手当や深夜手当が含まれていない、複数からの所得は反映していないなど条件があること、令和2年以降に同じ統計が出ていないため、参考値としてください。

30代の年収1000万の割合

男性で1.2%、女性で0.5%とわずかとなります。

令和4年の民間給与実態調査によれば30歳〜34歳の平均給与は425万35歳〜39歳の平均給与は462万円と30後半で全体の平均である458万を若干上回る額。

主任や課長と言った形で一定の役職に就く層であり、社会人になって10年も超えてくるため、定期昇給だけでもある程度上積みされてくる時期ではありますがまだまだ少ない年代です。

40代の年収1000万の割合

男性で3.5%、女性で1.2%と30代と比較して男性の割合が一気に増えます。

同調査においては40歳〜44歳の平均給与は491万45歳〜49歳は521万円で、平均給与を上回る水準。

部長職など管理職が増える世代上場企業などもともと基本給が高い企業は定期昇給でも1,000万円を超えてくる人が多くなる理由でしょう。

女性の年収1000万の割合

男女別に見た時の女性の年収1,000万円超の割合は同調査にて約1%

同じ仕事であれば格差は解消されていますが、給与所得者にはパート・アルバイトなど非正規雇用も含まれているため、子育て世代も含まれることから男性と比べて落ちてしまっています。

しかし、会社員としては営業職やスキルを重視した職種を中心に男女格差はなく、昨今は女性起業家も多くなり、1,000万円超の人が増えてきています

年収1000万を稼ぐには?目指せる職業を紹介

「年収1,000万円を実現したい!!」

そう思った時にはどのような仕事につけば良いのでしょうか?

1000万円を目指せる職業の特徴

年収1,000万円を貰える職業の特徴は主に3つです。

高度なスキルや専門知識が必要

1つ目が「誰でも簡単になれない職業」です。

国家資格を取得が必要であったり、経験を積み重ね、専門的な知識を獲得してはじめてなることのできる職業は他の人が出来ないからこそ高い給与をもらえます

市場規模が大きく将来性がある

2つ目は「市場規模が大きく、将来性のある職業」です。

国も補助金に乗り出すなどDX化が騒がれている中、特にIT系は継続して将来性のある分野です。

また、昨今はAIの発達により、人の仕事がなくなると言われていますが、このAIを作ったり、利用したりする側であれば将来性が高いと言えるでしょう。

成果・実力主義の給与体系

3つ目は「成果・実力主義の職業」です。

非常にわかりやすく、会社の売上に貢献したらその利益の一部を給与に還元をしてくれる職業です。

主に高価格帯の商材を扱う営業職に多い分野で、商材や給与制度によってはかなりの高給も期待できますが、あくまで契約を取った時の話になってしまうことには注意が必要です。

年収1000万円を目指せる職業とは

では、年収1,000万を稼いでいる人はどのような仕事についているのか見ていきましょう。

医師

イメージ通りになりますが、平均年収1,000万円超の代名詞ともいえる医師です。

開業医になると2,000万円代も夢ではありません

超難関の医学部に進学し、国家資格を取得してなれる職業であり、誰でも簡単になれるわけではないため、当然の結果ともいえます。

資格さえあればずっと働き続けられ、医師は常に足りていないのが現状ですので職業としても安定しているといえるでしょう。

士業

弁護士、税理士、公認会計士などいわゆる「士業」と言われる専門性が高いため、1,000万円を目指せます。

特に弁護士は最難関と言われる司法試験に合格が必要で、医師と並んで高給取りの代名詞です。

税理士、会計士は企業に属すると基準はやや下がるものの、しっかりとお客さんを抱えて独立すれば1,000万円も超えてくるでしょう。

コンサルタント

サラリーマンの中でもとりわけ高給取りで有名な職業になります。

業務改善から経営戦略までコンサルタントにも種類がありますが、職務内容の専門性、難易度が高いことから全体的に平均給与も高い傾向にあります。

特に外資系企業も多い職種でもあり、医師や士業以上に稼ぐような人もいます。

不動産営業

不動産営業の中でも売買の仲介営業は1,000万円を目指せます

理由としては基本給こそ平均的であっても、成果主義による歩合がつくためです。

売買は1件の単価が高いことから必然的に歩合も高くつき、とりわけ富裕層向けの不動産や投資用不動産、商業ビルなど単価が特に高い物件を扱っているとより高給が期待できます。

保険営業

不動産営業と並んで成果主義の代名詞でもある保険営業も1,000万の可能性があります。

やはり、売った分だけ給与として返ってくる歩合によるところが大きいですが、不動産と違うところは過去のお客様が契約を続けてくれる限り永続的に歩合が入る点にあります。

特に外資系になるとその歩合も青天井で顧客を順調に増やせれば、億稼ぐような営業マンもいるようです。

IT系技術職

スキルを生かした職業はスキルがそのまま給与に反映されるため、高い傾向があります。

特にIT系技術職はずっと不足していると言われている人材でこれからもこの状況が続くことは避けられません。

企業は高い給与を払ってでも採用していくことになるため、結果として高い給与水準が期待できます。

給与ランキング上位企業(商社等)

経済紙や人材企業の調査で度々取り上げられる給与ランキング。

高給取りで有名な総合商社など上位常連企業は年収1,000万円が目指せる企業と言って良いでしょう。

但、平均給与が高いことは確かですが、早い段階から目指せるのかは企業によるので注意が必要です。

「参考:求人ボックス 企業別給与情報

フリーランス、起業して稼ぐ

会社員としての経験値を生かしたり、アイデアがあって挑戦してみたいということであれば1つの選択肢になるでしょう。

1,000万円が狙える職業にただ転職するのと違い、全て自己責任の下、実力で稼ぐことになります。

経営手腕も問われる世界になりますが、仕事を取った分だけ収益になるので1,000万円を目指すことも可能です。

副業で稼ぐ

職業とは少しずれますが、老後資金2,000万円問題に端を発した副業解禁に伴い、本業以外で稼ぐ人が増えています

株やFXなどの投資や物販ビジネスが今も副業の代表例ですが、最近はWEBデザインやプログラミングなどスキルを身に着けてフリーランスに近い形で行う副業も多く、中には本業以上に稼ぐような人もいるようです。

年収1000万の人におすすめの節税対策

節税とは税制上の制度を利用して、支払う税金を抑えることです。

年収があがると税金が取られる以上、年収1,000万円は税金ばかり取られてしまうので節税対策はすぐにでも始めることをおすすめしています。

実際にできる節税対策を解説していきましょう。

ふるさと納税

ふるさと納税は好きな自治体に寄附できる制度で、寄附金の2,000円を超える部分について寄附金控除を受けられる仕組みです。

年収1,000万円の場合、控除の目安は13万円〜17万円程度

年収に限らず節税対策として市民権を得ており、年末になるとCMが増えるのも最早年末の風物詩となっています。

地元の応援ができるだけでなく、全く知らなかった土地のことを知れる他、返礼品のクオリティもあがっていることから楽しみながら節税が可能です。

「参考:さとふる│ふるさと納税の控除上限額(限度額)がわかるシミュレーション&早見表

不動産投資

不動産投資とはマンションなどの賃貸用物件を購入して家賃収入を得る方法で、年収1,000万円を超える人と相性の良い節税対策です。

理由は税金の話でお伝えした通り、年収900万円を超えると所得税が23%から33%に一気に跳ね上がりますが、不動産経営における管理費や修繕費など経営に関わる費用は経費です。

特に減価償却と呼ばれる現金の支出を伴わない経費があることから購入初期は帳簿上、赤字になることが多くなります

結果、この不動産所得の赤字を給与所得と相殺し、課税所得を少なくすることで節税効果を生み出すことが可能になります。

但、減価償却費は永続的に発生するわけではないため、不動産収益が黒字に転換する時はきます。

しかし、年収1,000万円は金融機関の融資も受けやすいことから、物件の買い増しも可能性があり、不動産投資で収益を増やしつつ、節税を続けることも狙えるのでおすすめの対策といえるでしょう。

iDeCo

自分で金融商品を選んで、積み立て、運用する私的年金制度です。

掛金と運用益の合計額を受け取れますが、受給できる年齢は60歳からとなります。

iDeCoの節税効果は「掛金を積み立てた時」、「運用益が出た時」、「60歳過ぎて受給開始した時」にそれぞれ受けられるメリットがあります。

特に「掛金を積み立てた時」は全額が所得控除の対象となり、所得税と住民税を減額することが可能ですので年収1,000万円の人には大きな節税効果が期待できます。

株や投資信託による投資利益は本来、20.135%の課税が発生しますが、iDeCoの場合は利益に対して非課税となっていますので60歳以降の受給額が投資額より多くなる可能性があります。

また、受給開始後も公的年金控除を受けられることから老後生活に備えるという点でおすすめの節税対策といえます。

NISA

「出典:金融庁

NISAとは少額投資非課税制度のことで、株や投資信託で得た利益の一定額までが非課税になる制度です。

純粋に株や投資信託投資の売買をする一般NISAと定期預金のように毎月一定額を積立てする積立てNISAの2種類あり、希望の投資方法に合わせて選択ができます

iDeCoと混同されがちですが、証券口座内での運用となりますので、いつでも引き出せる点と運用益に対する節税のみという点で異なります。

また、2024年には制度改正を控えており、年間非課税投資枠の拡大や有限だった非課税保有期間の恒久化でより節税効果が高くなることから、投資に回す余裕資金が多い方には利用しやすい節税対策といえるでしょう。

年収1000万の人の手取りに関するよくある質問

Q1.年収1000万円になるためには転職するべきですか?

会社員の場合、ご自身よりも階級が上の先輩や上司の給与が概ね将来的な給与と言えます。それを踏まえて、1,000万円が見込めないのであれば転職はひとつの手段になりますが、1,000万円になる可能性のある職種は歩合制であったり、スキルが必要であったりするため、自分に合っているのかよく考えて検討しましょう

Q2.20代でも年収1000万円を目指せますか?

目指すことが可能です。転職はもちろんですが、副業で稼いで収入の柱を増やしたり、事業を起こすなど選択肢は多くあるからです。

Q3.フリーランスでも1000万円は目指せますか?

近年はデザイナーやクリエイターなどスキルで勝負ができる職種の需要が高まっていることから十分目指せます。また、フリーランスの場合は一部経費で対応できることから実質的な手取り額が増える可能性もあります。

Q4.年収1000万円は節税するべきですか?

年収900万円を超えると所得税率が33%と一気にあがるため、節税をすることをおすすめします。株や投資信託などで収益が出ても20%代の低い税率の投資に資産を移したり、不動産投資で経費計上し所得税率そのものを下げたりすることで実質の手取りが増える可能性が高くなります

まとめ:年収1000万の人は節税対策が必須

多くの人にとって目標になる「年収1,000万円」ですが、税金の支払いにより実際の手取りは730万円程度と意外に贅沢はできません。

長く払い続ける家賃やローンはもちろんですが、教育費や娯楽費は必要な範囲に抑えることで安定した生活となります。

しかし、同じ年収1,000万円でも自由に使えるお金が多い人と少ない人がいるのは事実

自由に使えるお金を少しでも増やしたいと思っているのであれば早いうちから節税対策が必須といえるでしょう。

5年後、10年後にちょっとでも贅沢ができるようにするためには、始めの一歩を是非踏み出しましょう。

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