アパロン(アパートローン)とは!融資の審査基準は厳しい?金利や特徴を解説 

アパロン(アパートローン)とは!融資の審査基準は厳しい?金利や特徴を解説 

アパートローンは、マンションやアパート経営をする際に役立つ融資制度です。しかしながら、これまで賃貸住宅の経営を行った経験がなければ、アパートローンがどのような仕組みであるかを十分に理解している方は少ないのではないでしょうか。 

この記事では、アパートローンの仕組みや審査基準、アパートローンを低金利で借りるためのコツなどについて解説します。これからアパートローンを組みたいと考えている方はぜひ参考にしてください。 

目次

アパロン(アパートローン)とは 

アパートローンとは、アパートやマンションを事業用の賃貸経営として建築・購入する際に金融機関から借り入れできるローンのことです。 

投資用不動産の建築・購入資金としての利用だけでなく、リフォーム資金や大規模修繕資金など幅広い用途で使うこともできます。 

通常の住宅ローンとは異なり、自分が住居する目的でアパートローンを利用することはできません。 

アパロン(アパートローン)の金利相場 

アパートローンの金利相場は、一般的に1〜5%程度となっており、借入先によって以下のように異なります。 

金融機関 金利相場 
都市銀行(メガバンク) 1〜2% 
地方銀行 1.5〜3% 
信用金庫・信用組合 2% 
日本政策金融公庫 1.2〜2% 
ノンバンク 3〜5% 

金融機関ごとの金利相場の違いについて詳しく見ていきましょう。 

都市銀行(メガバンク) 

大手都市銀行のアパートローンの金利相場は1〜2%台です。 

他の金融機関よりも金利が低い傾向にあり、好条件でローンを利用できるケースが多いです。 

一方で金利が安く設定されている分だけ審査も厳しく、個人にはハードルが高いともいえるでしょう。 

また小規模な物件では取り扱いされないこともあります。 

地方銀行 

地方銀行のアパートローンの金利相場は1.5〜3%程度です。 

都市銀行と比べると敷居が低く、アパートローンの融資に積極的なため、個人で不動産経営を行う方にとっても使いやすい傾向にあります。 

申し込み先による金利の幅が大きいので、複数の金融機関で確認しておくことをおすすめします。 

信用金庫・信用組合 

信用金庫・信用組合の金利相場は2%程度です。 

金利が低めに設定されており、融資審査も地方銀行と比べて緩い傾向にあります。 

これらの金融機関は地域密着型であることから、対象エリアが限定されているのが特徴です。 

基本的には近隣地域にのみ融資が可能であると捉えましょう。 

日本政策金融公庫 

政府系の金融機関である日本政策金融公庫の金利は、1.2〜2%が相場です。 

全国の不動産が対象であり、固定金利で融資を受けられるという特徴を持っています。 

金利は低めに設定されていますが、返済期間が短く、融資限度額も低い傾向にあります。 

ノンバンク 

クレジットカード会社や消費者金融などの、ノンバンクでもアパートローンの融資を受けることができます。 

ノンバンクの金利相場は3〜5%と高めに設定されています。 

融資審査はこれまでに紹介した金融機関の中でも緩く、比較的借りやすいといえるでしょう。 

ただし金利が最も高く、返済総額が大きくなってしまう点は留意しなければなりません。 

アパロン(アパートローン)の融資審査の特徴 

アパートローンの融資審査では、主に以下4つの項目が重視されます。 

  • 属性(収入・勤務先) 
  • 物件の収益性と資産性 
  • 頭金の有無 
  • 借入金の状況 

融資審査の特徴について解説します。 

属性(収入・勤務先) 

アパートローンを利用する際は、契約者の属性として、年収や勤め先の企業規模がチェックされます。 

アパートローンの返済原資はアパートから得られる収益となるため、本人の収入は本来関係のない部分です。 

しかし、金融機関としては万が一のことを考え、融資を受ける人の属性も審査対象となります。 

正社員として大きな会社に長く勤めており、高収入を得ている人ほど、返済のめどが立てやすく審査で有利になりやすいです。 

物件の収益性と資産性 

アパートの収益性と資産性も審査対象となります。 

金融機関の基本的な考え方としては「融資をした後に返済が滞るリスクがないか」「仮に返済が滞ったとしても融資金額が回収できるか」といった点を懸念しています。 

収益性が高いほど、家賃収入によってローン返済が円滑に行えると判断されるため、審査で有利になることが多いです。 

また立地条件が良く、すぐに売却できるような資産性の高い物件も審査に通りやすいでしょう。 

万が一返済ができなくなったとしても、物件を売り払って融資返済に充てられるため、貸し倒れのリスクがなくなります。 

頭金の有無 

一般的に求められるアパートローンの頭金は、建築費の1〜2割程度です。 

残りの8〜9割をアパートローンで借りるというイメージになります。 

頭金なしでの借り入れは「フルローン」と呼ばれますが、昨今は金融機関のアパートローンに対する融資姿勢が厳しいこともあり、フルローンでアパートローンを組むことは現実的ではありません。 

借入金の状況 

借入金の状況も考慮されます。 

各金融機関は独自にアパートローンの融資限度額を設定していますが、借り手に住宅ローンなどの他の借入金が残っている場合、融資限度額が減額されます。 

仮に融資限度額を5,000万円と設定している金融機関であれば、3,000万円の住宅ローン残債が残っている借り手に対しては2,000万円しか貸し出せません。 

したがって、他に借入金のない人の方がより多くの融資額を引き出せますので、借入金の状況も審査対象のひとつとなります。 

アパートローンの審査が緩い金融機関は? 

アパートローンの審査が甘い金融機関ランキングは、以下のとおりです。 

1位. ノンバンク 
2位. 公的金融機関 
3位. 信用金庫 
4位. 地方銀行 
5位. 都市銀行 

アパートローンの審査に通りやすい金融機関について解説します。 

1位 ノンバンク 

ノンバンクは、審査の条件がかなり甘く、物件の収益性を中心に審査が行われます。 

再建築不可や借地、共同担保などの悪条件でも、借りられる可能性が十分にあるアパートローンです。 

ただし金利が高く設定されているため、収益が見込める物件でないと借りる意味がなくなってしまいます。 

ノンバンクから融資が受けられないとなると、 日本政策金融金庫ぐらいしか選択肢がありません。 

2位 日本政策金融金庫 

日本政策金融金庫の場合、属性の審査はほぼなく「収益性」で判断するため、さまざまな種類の物件で融資を受けられる可能性があります。 

加えて女性や高齢者など、一般的な金融機関では借りることが難しい属性の方も、借りやすいといったメリットがあります。 

しかしながら、最長10年の短期融資となることから、短期間で投資回収できるような高利回り物件の融資で利用されることが多いです。 

3位 信用金庫 

信用金庫は審査も甘く、属性よりも物件の収益性や資産性が重視されます。 

上記に挙げた金融機関のアパートローン審査が通らない場合は、信用金庫のアパートローンが受け皿となることもめずらしくありません。 

ただし、営業地域が法律で定められているので、エリア内の物件でないと融資を受けることができません。 

4位 地方銀行 

地方銀行は、全国の都道県に存在し、担当エリアの物件や住居者への融資に積極的な金融機関です。 

大手都市銀行ほど属性への審査は厳しくなく、年収は500万円以上あれば審査に通る可能性が十分にあります。 

また地域の繋がりを重視する傾向にあり、親族に地方銀行の関係者がいたり、親族が不動産担保で融資を受けていたりするなど、地縁をアピールしながら融資担当者と話すことができれば審査に通る可能性も高まります。 

5位 都市銀行 

都市銀行は、金利が低く設定されている反面、審査が厳しい傾向にあります。 

特に属性に対する審査の比重が大きく、年収が低い方は、物件がどれだけ良くても借りることは難しいでしょう。 

年収は低くても1,000万円以上が目安となりますので、ダメ元で相談してみて、借りられたら運がいいぐらいのレベルといえます。 

アパートローンを低金利で借りるためのコツ 

少しでも良い条件で融資を受けるには、以下のようなアパートローンを借りる際のコツを把握しておくことが大切です。 

  • 実績が豊富なハウスメーカーに依頼する 
  • 確度の高い事業計画書を作る 
  • 複数の金融機関に問い合わせる 
  • 属性を高める 

それぞれのポイントについて解説します。 

実績が豊富なハウスメーカーに依頼する 

アパートローンを低金利で借りるためには、実績豊富なハウスメーカーへの依頼がおすすめです。 

ハウスメーカーは、 日頃から多くのオーナーの融資状況を耳にしており、条件の良い銀行や外部からは入手できないリアルな情報を持ち合わせています。 

またハウスメーカーと提携している金融機関であれば、低金利でアパートローンを組めることも多く、ハウスメーカーから紹介してもらうことで優遇を受けられることもあります。 

そのため、アパートローンを組む際は、実績豊富なハウスメーカーから情報収集をして金融機関を選ぶとよいでしょう。 

確度の高い事業計画書を作る 

アパートローンの審査において、確度の高い事業計画書を作成できるかどうかは非常に重要なポイントです。 

事業計画書は、物件の収益性とローンの返済計画をまとめた書類のことを指します。 

もしあなたが融資する側だとすれば、ざっくりとした根拠のない事業計画書を提出してきた人と、詳細な経費や入居者が見つからない場合の対策などが明確に示された事業計画書を提出した人がいれば、どちらに融資をしたいと思うかは明らかでしょう。 

とはいえ、はじめてアパート経営をする人が事業計画書を作り込むのは難しいので、まずは実績豊富なハウスメーカーや専門スタッフなどに相談してみるとよいでしょう。 

複数の金融機関に問い合わせる 

アパートローンを検討する際は、複数の金融機関に相談することをおすすめします。 

なぜなら金融機関によって金利や審査の基準が異なるため、複数の金融機関に問い合わせておけば、より低金利でアパートローンを利用できる可能性があるからです。 

実際にアパートローンを組む場合は、3〜5社程度、金利が低い金融機関から審査依頼を出すのが一般的です。 

複数の金融機関と並行して相談を行い、最善の金利でローンを組めるよう行動していきましょう。 

属性を高める 

個人の属性を高めることで、審査に通りやすくなり、金利を少しでも下げれる可能性があります。 

年収はすぐに引き上げられるものではないものの、属性のレベルアップとして挙げられるものは以下のとおりです。 

  • 自己資金 
  • クレジットカードの利用状況 

自己資金が多いほど審査に通る可能性が高まり、物件価格の20%以上の自己資金があれば審査で有利になるといわれています。 

短期間で自己資金を増やすのは簡単ではありませんが、アパートローンを検討している方は、日頃から貯蓄に励んで自己資金を蓄えましょう。 

また不要なクレジットカードは解約したり、キャッシング枠を廃止したりすることも有効です。 

アパロン(アパートローン)に関するよくある質問 

アパートローンを検討されている多くの方が疑問に思われる、よくある質問をまとめました。 

それぞれの質問をひとつずつ紹介します。 

借入手続きの流れ 

アパートローンの借入を行う場合、以下のような手順で手続きが進められます。 

  1. 融資の相談をする 
  2. 事前審査
  3. 融資を申し込む
  4. 本審査
  5. 融資決定・契約
  6. 融資の実施

本審査の期間は、書類を提出してから約2〜4週間程度が目安です。 

着工までには審査が通るよう、逆算して準備を進めるとよいでしょう。 

審査に必要な書類 

アパートローンの審査の際に必要な書類は、主に以下のとおりです。 

  • 本人確認書類 
  • 直近3年分の源泉徴収書 
  • 実印および印鑑登録証明書
  • 収入証明書 
  • 事業計画書 
  • レントロール(家賃や入居状況がわかるもの) 
  • 物件概要書 
  • 金融資産がわかる書類 

これらの書類には必要な部数が決まっており、書類を集めたり作成したりするのに時間がかかります。 

スムーズに手続きを進められるよう、早めから準備に取り掛かっておくと安心でしょう。 

借入可能額の目安 

アパートローンでは、借入可能額は年収の10〜30倍が目安とされています。 

また多くの金融機関が融資額の上限を1億円〜3億円の範囲で定めていることも多いです。  

つまり、年収が500万円であれば5,000万円〜1億5,000万円、年収1,000万円であれば1億円〜3億円程度が借入可能額となります。 

実際の借入可能額は金融機関によって異なりますので、アパートローンを組む際は融資額の確認を忘れずに行いましょう。 

アパロン(アパートローン)まとめ 

この記事では、アパートローンの仕組みや審査基準、アパートローンを低金利で借りるためのコツなどについて解説しました。 

アパートローンで融資を受ける際に一番大切なポイントは、金融機関の開拓といっても過言ではありません。  

低金利で借りられるほど、賃貸経営の成功に近づくことができるはずです。 

「アパートローンを組みたいけれどもどこに相談すれば分からない」という方は、まずは実績豊富なハウスメーカーや専門スタッフに相談することから始めてみてはいかがでしょうか。 

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