「住宅ローンの支払いが厳しい。支払いを楽にしたい。」「コロナの影響で収入が減って困っている。」「老後資金がなかなか貯まらない。」「子供たちの為に相続の負担を減らしたい。」そんな悩みが多くなっている近年、リースバックを利用する方が増えています。
リースバックとは、自宅をいったん売却し、まとまった資金を得たうえで再度賃貸契約し、そのまま元の家に住み続けるというシステムです。
この記事ではこのリースバックのメリットについて解説していきます。
リースバックについてなんとなくは知っているけど、どんなメリットがあるのか、本当に利用してよかったと思えるのか、順にみていきたいと思います。
リースバックとはどんな仕組み?利用者が増えている理由はなぜ?
近年、リースバック契約をする人が右肩上がりに増えているようです。その理由を見ていきましょう。
新型コロナ感染拡大の影響
現在は収まっている新型コロナの感染拡大ですが、我が国も深刻な影響がありました。企業の業績悪化や雇用の変化などで収入が減少した方も多いでしょう。
こういった中で、リースバックという手段を見いだして、まとまった金額を得て、生活費や事業の立て直しなどに利用している方は増えている様です。
不動産価格上昇が継続傾向にある
リーマンショックから十年以上経過しますが、不動産価格は上昇傾向にあります。実際、国土交通省が公表している不動産価格指数のデータでは、2010年を100とすると、2022年はマンションは+80ポイント、住宅総合では+30ポイントも上がっています。
リースバックの取得価格は、一般的な相場の7割前後に収まる事が大半ですが、物件によってはこの価格上昇の影響で購入時よりも高く売れる事もあります。こういう物件を持っており、リースバックのメリットを知っている方は積極的に利用している訳です。
住宅ローンの支払いがきつい
厚生労働省のデータによれば、2000年以降の日本での平均給与は減少傾向にあります。反面、物価は上昇を続けており、生活費を圧迫している状況が続いています。こういった状況で住宅ローンの負担が深刻な方も多くなってきています。
リースバックを利用する事で、住宅ローンの負担をなくし、更には持ち家にかかるランニングコストも減らすことで生活を立て直す方も増えている様です。
自宅を相続する際の対策として
物件の持ち主が、生前整理として利用するケースも増えています。例えば、子供が2人以上いる場合、遺産相続時のトラブルを招く一因になります。そこであらかじめリースバックによって持ち家を現金化しておけば、トラブルの回避になります。
老後の生活資金の不安
高齢化社会にともない、年配の方々がマイホームに住み続けたいけど住宅ローンの支払いが残っていたり、老後の生活費の捻出に頭を悩ませるという方が多くなっています。
自宅をリースバックすることで、こういった悩みが解決されます。
教育費の捻出
日本の教育費の出費は、トータルすると莫大な額になるケースも多いです。高校、大学へ進学させる学費はもちろんの事、塾代や一人暮らしの時の仕送り、さらには留学費などの支払いに、ご両親がリースバックをするケースも多いです。
事業資金・運営資金の不足
事業をされている方では、資金不足で経営が危ういという方も多くなってきています。会社である事業所や店舗、そして自宅リースバックして資金を調達し、事業・運営資金に充てる方も増えています。
諸々の借り入れ・借金の清算
カードローンや消費者金融などの借り入れが複数あり、毎月の支払いに頭を悩ませている人の場合です。借金があってもリースバック契約はできますので、清算すればこの支払いから解放されます。
離婚した際の居住地として
マイホームがあり、離婚した場合に利用するケースです。多いケースが、妻と子がそこに住み続ける為、家をリースバックします。
家賃の支払いは離婚する双方の話し合いになりますが、売却金額も入ってきますのでお互いのスタートにとって好条件がそろうという訳です。
リースバックはこんなメリットが!利用するメリットを徹底解説

リースバックをする人が増えてきているのは分かりましたが、リースバックには具体的にどういったメリットがあるのでしょうか?
この章ではリースバックのメリットについて解説していきます。
まとまった現金を早く手にする事ができる
リースバック契約をする際、一番の魅力は何といってもまとまった現金を短期間で得ることができることでしょう。
例えば、自宅なりの不動産を売却するなりしてお金を得ようとすると、まず広告を出して買い手を見つけるまでに数ヶ月かかることもザラです。しかし、リースバックは契約さえ結べば早ければ1週間程度で現金が入手されることもあります。
とにかく早期にまとまった現金が必要いう方に向いています。
売却代金の使用用途は自由
リースバックで得た売却代金は、賃貸物件としての売却代金として完結します。そのため、使用用途は自由ですし、目的を聞かれることもありません。
通常、銀行で借りることのできる大きなお金のローンは、住宅や車、教育など、使用用途が決まっています。ですので使用用途が自由というのはかなりのメリットと言えるでしょう。
しかもリースバックのシステムは借金ではありませんので、ローンを借りているようなストレスも抱えずに済みます。
契約後も自宅に住み続けることが出来る
通常、自宅を物件として売却すれば、当然立ち退きが発生し、引っ越しの必要があります。しかしリースバックは、契約後に元の家に住み続けるために賃貸契約を結びますので、引っ越しの必要がありません。
引っ越しが煩わしい人、今の生活圏が快適と感じている人、生活パターンを変えたくない人などに向いていると言えます。
自宅にかかっていたコストや税金などの支払いがなくなる
リースバック後の自宅の名義は、買い取った不動産業者になります。その為、毎年支払っていた固定資産税や都市計画税などの税金や、修繕などの維持管理コストが不要となります。
ただ、この維持管理コストは業者との契約形態によって適用範囲が変わりますので、契約時によく確認しておくことが必要です。
住宅ローンが残っていても申し込みできる
ご自宅の住宅ローンが残っていても、リースバックすることもできます。ただし、残債金額がリースバックの代金を上回っていればできない場合が多いので事前に計算したり相談しておく必要があります。
通常、30年~35年ほどかかる住宅ローンの返済がなくなるのは、金銭的・心理的な負担が減りますので、よく利用される目的でもあります。
近所や周りの人にばれることなく契約できる
リースバックは、契約者である住人と業者とのやり取りのみで契約されます。通常の売却のように広告を打ったりしませんし、契約前の本査定も、担当者が一度現地を見るだけということがほとんどですので、近所にばれることはありません。
契約後もそのまま変わりなく住んでいますし、業者も守秘義務がありますので、リースバック契約者自ら公表しない限り、第三者に知られることはありません。
将来自宅を買い戻せる契約もある
一般的に個人向けのリースバックは、将来買戻しの条件を付ける「買い戻し特約」をつけるオプションも選択できます。
買い戻しの期間は決められたり、色々と条件はありますが、再度自分の所有に戻せるというのも、希望者にとっては大きなメリットです。
引っ越したい時はいつでも引っ越せる
リースバックは、契約後も住み続けられるという前提でおこなうシステムです。しかし、物件の所有者はあくまで業者なので、住人は気が変わればいつでも引っ越しして違う住居に住むという選択もできます。
このように、リースバックには様々なメリットがあります。利用するメリットに魅力を感じ、リースバックを検討している方は、一度一括査定サイトなどで無料査定してみることから始めることをお勧めします。
リースバックのデメリットはどんなものがある?
利用者にとってはメリットが多いリースバックですが、当然ながらデメリットがあります。
以下、デメリットや注意点を解説します。
家賃支払いが発生する
リースバックは契約物件、つまり元自宅に家賃を払い続ける事を前提に契約を結びます。住宅ローンがあった場合、ローン支払いは無くなりますが代わりに月々の家賃が発生します。
家賃が相場より高い場合が多い
リースバックは業者が収益物件とみなして契約します。つまり業者にとってはより利回りのいい条件で契約したいため、家賃の支払い額は相場より高めになることがあります。
ローンや税金、メンテナンスなどの費用がない代わりに、相場より高めの家賃を払い続ける必要があります。
売却代金は相場より低くなりがち
上でも説明しましたが、リースバックは投資物件として契約する為、売却代金も相場より低くなる可能性が高いです。
売却代金は交渉すれば高くなることもありますが、その後に支払う家賃も高めになりますのでバランスを考えて交渉し、契約する必要があるでしょう。
契約によっては長期間住めない場合もある
リースバックの契約は、2年以内の契約期間で、更新を約束しない「定期賃貸借契約」という賃貸借契約を結ぶ場合が多いです。
通常の「普通賃貸借契約」では、貸主である業者は正当な事由が無い限り更新を継続する前提ですが、「定期賃貸借契約」では定められた期間で契約が終了してしまいます。
業者と合意すれば契約を継続できますが、業者側は契約を拒否する権限がありますので、その場合立ち退きをしなければなりません。こちらも契約時に話し合い、文書化しておくことをお勧めします。
リースバックを活用メリットはどんなものがある?事例をふまえて解説!
ではリースバックはどのように活用されているのでしょうか?
活用メリットがあった具体的な事例を紹介していきます。
住宅ローンの清算
定年退職された男性と奥様の事例です。住宅ローンがまだ残っており、年金だけでは厳しくご夫婦でパートに出ていましたが、支払いに追われる毎月でした。
試しに自宅をリースバックしたところ、住宅ローンを支払ってもまだ手元資金が残る結果となりました。また家賃もローンより減額されたので支払ってゆとりのある生活をしています。
老後資金の確保
夫と死別した一人暮らしの高齢女性の事例です。いずれは居住型高齢者施設に入ろうと思い貯金をしてきましたが、目標額にはかなり足りない状況です。
そこで自宅をリースバックしたところ、売却代金がプラスされ、目標としていた金額を上回りました。あとは入居を待つのみで、年金から無理なく支払える賃料を払いながら住み慣れた家で暮らしています。
事業資金への充当
60代後半の事業者男性です。事業で借りたローンがまだ数百万残っており、まだまだ長く仕事を続けないと返済できない状況でした。
事務所をリースバックし、売却金で事業用ローンを完済。あとは数年後の引退まで賃料を払いながらゆとりを持って仕事をしています。
相続対策、財産整理の完了
70代のご夫婦です。子供は2人いますが、2人とも県外に就職し、それぞれその地でマイホームを買って暮らしています。ゆくゆく相続するときにもめない様にリースバックすることを決めました。
自宅の賃料は年金で支払える金額に設定し、得た現金は貯蓄として手元に残し、安心して住み慣れた家で暮らしています。エンディングノートも書きましたので、相続の際に不動産関連のトラブルは起こりません。
離婚時のトラブル回避
50代男性で、妻と離婚したケースです。まだ高校生の子供がいるので、離婚を機にローンの残っている自宅をリースバックしました。
結果住宅ローンは完遂できたうえにある程度の資金も確保できたので進学費用などにも充てることが出来ます。男性はワンルームマンションに引っ越し、賃料を養育費として支払うことで双方納得し、トラブルも回避できました。
自宅を引き払う際、引っ越しまでの利用
50代ご夫婦です。子供が独立し出ていった際、2階建て今の家では広すぎると思いリースバックしました。
リースバックにより住宅ローンを完済し手元資金も残りました。今では自宅に住みながら2人暮らし用のマンション物件を探しています。とりあえず契約期間まで時間があるので、じっくりと物件探しができ、満足のいくマンションを見つけ購入費用の足しにできました。
このように、住宅ローンの返済や老後資金の調達を中心に、リースバックは様々な目的で使用できます。高齢化が進む我が国ですから、今後もますますリースバックする人は増えていくと思われます。
リースバックのメリットに関するよくある質問
ここでは、リースバックをするにあたってよくある質問、特にメリットが関係する質問や疑問と回答を選んでみました。
Q.とにかく早く現金が欲しいのですが、どうすればいいでしょうか?
A.リースバック契約は、本査定や書類手続きなどで平均2週間くらいで振り込まれます。それよりも急ぎで欲しい場合はリースバック業者に「急ぎである」という旨を伝えれば、若干は短くなるかも知れません。
Q.家賃をなるべく安く抑えたいのですが。
A.家賃設定は、物件の売却価格をもとに算出されます。もし想定外に高い家賃が提示されたら、売却価格を許す限り下げてもらう交渉が必要となります。
Q.名義人は両親なのですが、リースバック契約できますか?
A.リースバックは名義人の許可・同意があれば、家族などでもできます。
Q.年金受給者ですが契約できますか?
A.出来ます。成人していてかつ、意思能力がある方なら年齢制限関係なく申し込み出来ます。
Q.旧耐震基準の戸建てですが、契約できますか?
A.出来ます。旧耐震基準の戸建て、マンションかかわらずリースバック契約は可能です。
Q.過去に借金で任意整理したのですが、利用できますか?
A.過去の金銭トラブルの有無は関係なく利用できます。ただし、借金と引き換えに自宅に抵当権がついていればできません。
Q.契約後、なるべく長く住みたいのですがどうすればいいでしょう?
A.リースバックが「定期借家契約」の場合、契約期間が2~3年の場合がほとんどです。業者によっては、契約期間満了後に再契約を交わす必要があり、契約できなければ退去を余儀なくされます。
契約後に長く住みたい場合は、「普通借家契約」ができる業者を選ぶことが必要です。「普通借家契約」は、賃貸している住人の意向で契約の更新ができます。契約の段階で、最低何年住み続けることが出来るかということを確認しておくのは大事です。
まとめ
繰り返しになりますが、リースバックはまとまったお金を得ることが出来る数少ない資金調達方法で、利用メリットは多いと言えます。ただし、うまく利用するには、第一にいい業者を選定する事、そのうえで契約後の賃料や条件について納得いくまで理解しておくことは重要です。
さらに、自宅を売却するという人生の大きな節目になりますので、慎重に検討し、ご自身のライフプランも含め、ご家族ともしっかり話し合っておきましょう。