ワンルームマンション投資は不動産投資の中でも初心者向けといわれており、特にサラリーマンに人気があります。しかし、その一方でワンルームマンション投資は「やめた方がいい」「失敗する」といった意見があるのも事実です。
「不動産投資の第一歩としてワンルームマンション投資を始めたいが、やめた方がいいといった意見も多くて悩んでいる」といった方もいるでしょう。
そこで今回は、ワンルームマンション投資とはどのような投資なのか、概要やメリット、注意点、おすすめの不動産まで紹介します。これから不動産投資を始めたいと検討している方は、ぜひこの記事を読んで参考にしてください。
ワンルームマンション投資とは
はじめに、ワンルームマンション投資とはどのような投資なのか概要や特徴、ほかの不動産投資との違いについて解説します。
なぜ、サラリーマンにワンルームマンション投資が人気なのかも解説するので、どの不動産投資を選択するか悩んでいる方も、参考にしてください。
ワンルームマンション投資の概要
ワンルームマンション投資とは、文字通りワンルームマンションの1室を購入し、運用することで利益を得る投資方法です。
ワンルームマンションは単身者向けの物件であり、1つの居室に居室・ユニットバス・トイレ・キッチンがまとめられている間取りの総称です。
よく似た間取りに1kがありますが、1kはキッチンと居室の間に扉がある間取りで、広さは関係ありません。例えば、30㎡の広さがあってもキッチンと居室が1つの部屋にあれば1ルーム、20㎡未満でもキッチンと居室部分が分かれていれば1kとなります。
ワンルームマンション投資用の物件はワンルームと1kの両方があります。マンションが建っている地域や立地条件によって需要も異なってくるので、よく検討してどちらを購入するか決めてください。
ワンルームマンション投資の種類
ワンルームマンション投資はワンルームマンションを購入して賃貸に出して運用する方法と、購入したマンションを高く売れるタイミングを計らって売却し、差額で利益を得る方法の2種類があります。
一般的にワンルームマンション投資といった場合はマンションを購入して賃貸に出し、運用して利益を得る方法を指します。ちなみに、運用して得た利益を「インカムゲイン(運用益)」売却して得た利益を「キャピタルゲイン(売却益)」というので、覚えておくといいでしょう。
一定期間賃貸に出してインカムゲインを得た後、売却してキャピタルゲインを得て、さらにそのキャピタルゲインで新しいワンルームを購入といった方法で利益を得ている方もいます。
ワンルームマンション投資の特徴
ワンルームマンション投資は、複数あるマンションの部屋のうち1室だけ所有して運用する、区分投資に該当します。マンションを1棟丸ごと買う一棟投資と比べると、運用益は少ないですが、少ない元手で始められます。
また、一軒家を購入して賃貸に出して運用する戸建て投資と比べると、単身向けのワンルームは賃貸物件の需要が高く、安定した収入が得られる可能性が高いでしょう。
このほか、ワンルームマンション投資は、複数の地域に分散してマンションを所有できるのも特徴です。ワンルームマンションは常に一定の需要がありますが、需要の幅が地域やマンションの状態によって異なります。
例えば、築年数が20年以上経ったマンションは一般的に需要が低下します。しかし、東京などの都市部の大きな駅から徒歩5分以内に建っているなど立地条件が良ければ、需要は高いままでしょう。
このように需要が高いマンションの1室を複数の地域で所有していれば、どれか1室の需要が低下しても、他の物件で補えます。
ワンルームマンションに投資するメリット
ワンルームマンションははじめて不動産投資を始める方向け、サラリーマンや主婦に向いていると言われます。その理由を、ワンルームマンションに投資するメリットとして、紹介します。
初期費用を抑えられる
ワンルームマンション投資は、不動産投資の中でも費用がかかりにくい投資です。不動産投資は、低リスクで長期安定して利益が得られるメリットがある一方、物件を購入するのに多額の資金が必要といったデメリットもあります。
不動産投資用の物件は、都市部で駅が近いなど高い需要が見込まれるものほど値段も高い傾向です。マンションを一棟買いするならば、1億円以上の元手がかかる可能性もあるでしょう。
しかし、ワンルームならば物件によっては数百万円から購入できます。不動産投資は投資用のローンを組んで購入する方も多いですが、初期費用が少ないほど借入も少なくでき、リスクも抑えられます。
需要が減りにくく安定した収益が期待できる
賃貸物件に最も需要があるのは、単身世帯です。2人以上の世帯となると持ち家の需要が増し、3人以上の世帯となると地域によっては賃貸物件の需要が著しく低くなるところもあります。
また、ワンルームマンションは物件の需要も分かりやすいのが大きなメリットです。駅の近く、便数の多いバス停の近くなど分かりやすい場所はもちろんのこと、大学や専門学校の近く、大きな企業の社屋の近くなどは、多少辺鄙な場所にあっても一定の需要は期待できます。
しかも大学や企業は早々になくならないので、長期安定した収益が見込めます。
物件の管理がしやすい
ワンルームは、ファミリー向け物件やマンションを丸ごと購入するよりも管理がしやすいといったメリットがあります。ワンルームの設備は、ファミリー向け物件の設備に比べると安価で交換も簡単です。
また、マンション一棟買いに比べると、共有部分の管理も必要ありません。ワンルームによっては、設備がユニットバスとトイレだけといったところもあるでしょう。そのような場所はさらに管理が簡単です。
このほか、ワンルームは床面積が小さいので、築年数が経ってフルリフォームする場合も一戸建てやファミリータイプの物件に比べて価格が抑えられます。
リスクを分散しやすい
ワンルーム投資はマンションの1室を購入する投資方法なので、予算に余裕があれば物件を分散して持てます。不動産の需要や価値は、時代や周辺の環境によって大きく変化します。
例えば、大企業の社屋や工場、大学などが建てば周囲のマンションの需要は一気に増加する場合もあるでしょう。逆に、工場が閉鎖したり周囲の環境が悪化したりすれば、需要が減ってしまう場合もあります。
いつ、どのようにマンションの需要が増減するかは、予想が付きにくい場合もあるでしょう。一棟買いでマンションを購入するより、あちこちに1室ずつ部屋を所有していたほうが、リスクを分散できます。
相続もやりやすい
不動産は相続の際にもめやすい傾向がありますが、ワンルームマンションを複数所有していた場合は、相続人に1室ずつ分けられます。不動産は複数の人間で相続も可能ですが、権利が分散されていると、売買もスムーズにいきません。
しかし、ワンルームマンションならば1人1室ずつ相続でき、相続税なども安く済むでしょう。
オーナーのやることが少ない
不動産投資は、ほかの投資に比べて手間がかかりません。借り手がいれば部屋の管理はすべて住人に任せて大丈夫です。
また、管理会社があるならば、日常の掃除や多少の苦情処理などはすべて管理会社に委託できます。
オーナーは、賃借人が出て行った後の部屋の確認や修繕、清掃の指示などを行えば大丈夫です。
ですから、サラリーマンが副業として不動産投資をした場合、本業の邪魔になることはほとんどありません。賃借人が住んでいれば、月に1度程度管理会社の報告を聞くだけでいいでしょう。
住人を募集する場合も、不動産会社に依頼すればオーナーは特にすることはありません。住人が決まったと報告を聞けば良いだけです。
ワンルームマンションに投資する際の注意点
ワンルームマンション投資は、メリットだけでなく注意点もあります。ここでは、ワンルームマンション投資を前向きに考えている方が抑えておきたい注意ポイントを紹介します。
必ずしも利益が出るとは限らない
ワンルームマンション投資で利益を出すには、物件を借りる人がいなければなりません。物件の借り手がいなければ、利益が出ないだけでなく管理費などの維持費用はすべてオーナーの持ち出しになります。
ローンを組んで物件を購入している場合、ローンの返済費用が維持費用に加わるので経済的負担が重くのしかかる恐れもあるでしょう。ワンルームマンションは、常に一定の需要がありますが、だからこそ競争が激しい面もあります。
周りに同じようなワンルームマンションがたくさんある場所では、当然新しくて設備が立派なほうに需要が高めです。古い物件だと何年も空き家のままといった恐れもあるでしょう。
このような失敗を防ぐためには、入念な物件選びが大切です。人気の高い地域でも、ネットで写真や動画を確認するだけでなく、現地に足を運びましょう。
節税効果や利益が少ない
ワンルームマンションは不動産投資のメリットの1つである節税効果がそれほどありません。不動産投資の節税効果とは、不動産を購入したり維持にかかったりする際の赤字分を本業と合算して確定申告ができるため、所得税が抑えられることです。
例えば、年収1,000万円の方が不動産投資を行い、200万円の赤字を出したとします。すると、その年の収入は800万円となり、所得税や住民税などが節税できます。しかし、ワンルームマンション投資は、購入額や修繕費などが戸建て物件などを購入した場合に比べて低いので、思ったよりも節税効果がない場合もあるでしょう。
また、物件によっては収益も上がらない可能性があります。東京や大阪などの都市部にある大きな駅前など、一部の地域をのぞいて、家賃をそれほど取れません。
広さにもよりますが、5万~8万円、物件の築年数によっては5万円未満に家賃を設定しないと住人が集まらないケースもあるでしょう。
不動産投資の利益は、家賃から管理費をはじめとする物件の維持費、修繕積立費、ローンの返済額を除いた残りです。家賃5万円未満の物件では、月々の利益が1万円にも満たない場合もあるでしょう。
物件の管理が思うようにいかないケースもある
ワンルームマンション投資は、1つのマンションの中に複数のオーナーがいる状態です。そのため、管理がいいかげんなオーナーがいると物件全体の治安や環境が悪くなる恐れがあります。
例えば、基本居住用でしか使えないマンションで商売をしているような場合や、騒音がひどかったり室内をゴミ屋敷にしてしまったりするような入居者がいた場合、優良な賃借人から退去してしまい、新しい入居者もなかなか見つからない恐れもあります。
また、一度悪い評判がついてしまうと、例え悪質な入居者がすべて退去しても入居率が回復しない場合もあるでしょう。
このほか、ワンルームマンションを大規模修繕する際、オーナー同士の意見がまとまらないと修繕がなかなかできないままマンションの劣化が進み、賃借人が退去してしまう可能性もあるでしょう。
このような事態を防ぐために、管理体制がしっかりしているマンションを購入することが重要です。
サブリースは万能ではない
サブリースとは、マンションを一定期間オーナーから借り上げて家賃保証などを行うシステムです。サブリースを利用すれば、契約中は空室でも家賃が入ってきます。
しかし、家賃全額が入ってくるわけではなく、手数料が引かれます。また、長期間契約すると、家賃保証料を下げられたり、修繕費用が上がったりとメリットが少なくなるのも注意点です。
どのような物件でもサブリースを契約すればリスクを全て回避できる、というわけではないので注意しましょう。
ワンルームマンション不動産投資会社の選び方は?
ワンルームマンション投資を行う場合、不動産会社を通して物件を購入します。不動産会社は単に物件を仲介してくれるだけでなく、不動産投資のアドバイスからサポートまでさまざまな面で利用できます。
ここでは、ワンルームマンション投資に利用する不動産会社の選び方を紹介します。
実績豊富な会社を選ぶ
同じ不動産会社でも、ワンルームマンション投資が得意な会社もあれば不得意の会社もあります。また、ワンルームマンション投資そのものを行っていない不動産会社もあるので、注意が必要です。
初めてワンルームマンション投資を行う場合、実績が豊富でサポートが手厚い会社を選びましょう。業務の一環で投資用のワンルームマンションも取り扱っている不動産会社と、投資用のワンルームマンションが主力商品である会社ならば、後者のほうがおすすめです。
また、不動産会社の中には不動産投資のセミナーを定期的に開催しているところもあるので、複数の会社のセミナーに参加したうえで、会社を選んでもいいでしょう。また、口コミサイトなども参考になります。
物件を購入したい地域にある不動産会社を選ぶ
ワンルームマンション投資は、物件が建っている地域選びも重要です。成功率を考えたら、東京や大阪といった大都市の物件のほうがおすすめです。
インターネットが発達している現在では、地方にいながら都市部の不動産を購入し、運用するのも難しくありません。
不動産会社は、それぞれ取り扱い地域があります。会社によっては全国の不動産を取り扱っている所もありますが、より詳しい物件の情報を知りたい場合は、やはり購入したい地域のことを良く知っている不動産会社がおすすめです。
投資したい物件の傾向で不動産会社を選ぶ
ワンルームマンションにも色々な種類があります。自分が投資したいワンルームマンションのイメージにあった物件を豊富に取り扱っている不動産会社を選びましょう。
一例を挙げると、学生向け物件、女性向けの物件、デザイナーズマンションなどがあります。近年は、高齢者専用のワンルームマンションも増えました。
学生向け物件は、高額な家賃は期待できませんが、常に一定の需要が望めるでしょう。デザイナーズマンションは、付加価値が高いので、家賃を少々高めに設定できるメリットがあります。
このように、それぞれのマンションタイプの特徴やメリット・デメリットを把握したうえで、投資するマンションを決めるのがおすすめです。
ワンルームマンションを扱っているおすすめ不動産投資会社5選
ここでは、初心者にもおすすめの投資用ワンルームマンションを扱っている不動産会社を5つ、紹介します。不動産会社選びに悩んでいる方は、参考にしてください。
FJネクスト
FJネクストは、首都圏投資用のマンション供給が、4年連続NO1を誇る会社です。創業43年の実績もあり、初めての方も安心して相談ができます。
地域密着の仲介業者など、取引業者は1,200店以上あるので、さまざまなニーズに応えてくれるでしょう。購入後のサポートも手厚く、管理もグループ会社が行ってくれます。確定申告もサポートしているほか、いざというときは買取も可能です。
また、FJネクストはオンラインで常時不動産投資のセミナーも行っています。オンラインならば全国から参加できるので、地方に住んでいて首都圏の物件を購入して不動産投資を行ってみたい方にもおすすめです。
日興レジデンシャル
日興レジデンシャルは、中古ワンルームマンションに特化した不動産会社です。東京都心を中心に、多数の物件を取り扱っており、優良物件をお手頃価格で提供しているのが特徴です。新築マンションに比べて初期投資を抑えられるので、自己資金が少ない方にも適しています。
また、家賃を保証する賃貸管理プランなども取り扱っているので、不動産購入とサブリース契約を同時に依頼できます。
株式会社トーシンパートナーズ
株式会社トーシンパートナーズは、zoomシリーズでおなじみの不動産会社です。デザイン性が高いマンションを数多く取り扱っており、ワンルームとはいえ高い家賃収入が見込めるでしょう。
また、管理も自社で行っており、入居審査にも定評があります。したがって、オーナーが知らないうちに入居者の質が悪化していたといった恐れもありません。例えば、地方に住んでいて物件の管理が自分で十分にできないが、安心して不動産投資を行いたい方などに適しています。
シノケンハーモニー
シノケンハーモニーは、投資用不動産販売、不動産賃貸管理などを行うシノケングループの会社です。頭金0から始められる不動産投資を強みとしており、自己資金が少ないけれど不動産投資に挑戦したいという方に適しています。
また、不動産投資を行っている会社の中では大手なので、信頼感は抜群です。セミナーなども常時開催しており、サポートも手厚いのではじめて不動産投資を行う方はまずはセミナーから参加してみるのもおすすめです。
ランドネット
ランドネットは、首都圏を中心に投資用・居住用の両方の物件を扱っている会社です。1999年に設立したまだ若い不動産会社ですが、2021年に東京証券取引所JASDAQスタンダード市場に新規上場し、急成長を続けています。
香港をはじめとして海外の物件も取り扱っているので、ある程度不動産投資を行っており、日本だけでなく海外の物件を所有したい方にもおすすめです。
ワンルームマンション不動産投資会社を選ぶ前に行うこと
ワンルームマンション不動産投資を行う会社を選ぶ前に、以下のようなことをおこなっておきましょう。
- 自己資金の確保
- 不動産投資の勉強
- 不動産投資を行う場所選び
- 運用計画を立てる
- 会社の許可を得る
現在は頭金0円でも不動産投資が行えますが、自己資金をある程度貯めておくといざというときも安心です。また、不動産投資を行う地域を決めておきましょう。
東京や大阪といった大都市の物件が人気ですが、総合大学がある地方もおすすめです。競合物件の数なども考えて、物件を選びましょう。
同時に、不動産投資の勉強も重要です。投資は自己責任ですからリスクなどもしっかり把握しておいてください。また、どのくらい損をしたら損切りしたほうがお得なのかなども把握しておきましょう。税金の勉強も重要です。
このほか、会社によっては副業に制限があるところや、許可が必要なところもあります。自分が勤めている会社がどのようになっているか確認しましょう。
ワンルームマンション投資に関するよくある質問
最後に、ワンルームマンション投資に関するよくある質問を紹介します。疑問点がある方は、参考にしてください。
ワンルームマンション投資にローンは利用できますか?
はい。投資用のローンが利用できます。一般の住宅ローンと同様な感覚で利用できますが、利息は住宅ローンより高めです。返済計画を建てたうえで、借入額を決めましょう。
なお、近年、フラット35を不動産投資物件を購入に利用する事例が問題になりました。フラット35は、住宅ローンにしか使えない特別なローンです。不動産業者にすすめられた場合、いい加減な業者の可能性が高いので、利用はやめましょう。
ワンルームマンション投資用の物件を決める際のポイントはありますか?
居住用の物件を購入するのと同様、可能な限り自分の目で物件を確認してください。現在は写真や動画でネット経由でも物件の状態をある程度確認できます。しかし、不動産会社によっては、物件のマイナス要因になるようなところは、あえて隠している場合もあります。
また、昼間は良さそうな物件でも、夜間はがらりと雰囲気が変わる所もあるので、できれば昼間と夜の両方の状態を確認しましょう。また、住んでいる方の口コミを確認できればなお良いですね。
ワンルームマンション不動産投資会社おすすめランキングまとめ
今回は、ワンルームマンション投資の概要やメリット、注意点、おすすめの不動産会社を紹介しました。不動産投資の中ではお手頃価格で行えます。しかし、マンションの一棟買いや戸建て投資に比べると利益率が少ない、節税効果が少ないといったデメリットもあるので、その点も把握しておきましょう。
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