数年続いたコロナ禍もようやく落ち着きを見せ、我が国の経済も大きな転換期を迎えています。
社会・経済生活が元に戻りつつも、インフレの影響や、訪日外国人の回復によるインバウンドの増加、また都市部の再開発など様々な要因で、安定した利回りが期待できる不動産投資が引き続き注目を浴びています。
ただし、投資の対象となる戸建てやマンションなどの不動産は高額な為、一括で購入できる方はごく少数で、ほとんどの人が金融機関から融資を受け、ローンを組んでの購入するのが現実です。
そういうことで、この記事では不動産投資の融資ローンに関する様々な事を解説していきます。融資を受ける際のメリット・デメリット、業者の選び方、融資に向いている人、いない人や融資の手順まで解説していきます。
不動産投資の融資を受ける意味とは?簡単に説明
不動産投資の物件を購入する際、ほとんどの場合、金融機関の融資を必要とします。では、不動産投資の融資にはどのような特徴があるのか、通常の住宅ローンと比べて何が違うのかなど、初心者にもわかりやすく解説します。
通常の住宅ローンより金利が高い
不動産投資の物件は事業性がありますので、金利は高めです、これは、借主が返済する際、色々な事情で家賃が得られず支払いができないリスクを業者があらかじめ織り込んでいるからです。
同じく融資上限金額も高め
業者側から見れば、通常の住宅ローンと違い、不動産物件自体の収入プラス購入者の収入も返済額として期待できるため、より高めの返済が期待できます、その為必然的に融資金額も高めに設定されます。
審査方法が異なる
通常の住宅ローンは、ご自身の収入や勤続年数などの信用度が主な審査基準になります。対して投資用の不動産物件の融資審査は、信用度に加えて事業としての採算性にも重きを置いて審査が勧められます。物件の価値のみならず、利回り算定も審査の対象となります。
自己資金(準備資金)より高額な物件を手に入れることができる
自己資金が少なくても、融資の審査が通れば、高額な不動産を手に入れる事も可能です。毎月の返済以上に家賃収入が高めに設定できる物件だと、高利回りも期待できるので魅力的です。
準備金なしでもすぐ投資を始めることが出来る
たとえ準備金がなくても、融資の審査さえ通り、かつ借主が入居してくれれば立派な投資家の仲間入りです。なおかつ不動産投資は株や為替などの金融投資と違い、価格変動が少なく利回りも安定しているというメリットがあります。
不動産投資の融資のメリット
不動産投資をする際、融資を受けることのメリットはどんなものがあるのでしょうか?いくつか挙げていきます。
自己資金なし、または少額であってもレバレッジを効かし投資できる
一般的には不動産投資をスタートするには多額の自己資金が必要と考えられています。多くの準備資金を準備できる方じゃなくても、融資を受けてローンを組むことによって「少ない元手で大きな収益を上げる」レバレッジ効果が期待できます。
ある程度まとまった資金がないと利益を得ることが困難な株式や投資信託などの金融投資と比べておおきなメリットだと言えます。
いい投資物件を素早く購入できる
数ある不動産物件の中でも、安定して高利回りを得られる良質な物件が度々出てきます。そういった好物件を見つけたときにスピーディーに融資を申し込んで審査さえ通れば、手に入れることができます。
自己資金が貯まってから、と悠長に待っているのは投資において機会損失と言えます。好物件・高利回りの不動産を得るのはタイミングが勝負です。
住宅ローンなどの返済に充てることができる
不動産投資ローンの融資を受けて、月々の家賃収入が入ってくるとなると、住宅ローンなどの返済に充てることもできます。
家賃収入が住宅ローン額を上回ると、自分の給与所得なりから返済をする必要がなくなり、負担が減るのは大きなメリットです。
手持ちの資金を置いておくことができる
自己資金を貯めて投資する不動産購入の準備金に充てるより、ローンを組んで物件購入し、手持ちの資金を残しておくことはメリットになります。
不動産を所有すると、空室リスクや修繕費、原状回復費などの出費が発生します。手持ち資金がギリギリ、またはほとんどないとこういったメンテの費用が捻出できません。
物件はローン購入し、余裕を持った金額を手持ちの資金として残しておくことは必須と言えます。
団体信用生命保険に加入できる
不動産投資ローンを組むと、団体信用生命保険に加入することができます。
団体信用生命保険(団信)に加入すると、債務者(返済者)に万一の事があれば残債を全額支払ってくれる「生命保険」の役割をします。
ですので、残された家族は、ローンのない状態で物件を所持し続け、家賃収入を得られるという仕組みです。
以上が不動産投資をする際、融資を受けることによるメリットです。多額のローンを組む、ということに抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、これだけのメリットがあることを知っておく必要があります。
不動産投資の融資のデメリット
続いて不動産投資の際に融資を受けることのデメリットも見ていきましょう。メリットがある反面、当然デメリットもあります。
金利や手数料などが余分に発生する
不動産投資物件を融資(ローン)で購入するということは、当然金利や手数料も発生します。
現金で一括で購入すると、もちろん金利は発生しませんが、長期のローンを組むと、金利だけでかなりの額を返済することになります。
金利が住宅より高く設定されている
そもそも不動産投資の金利は、通常の住宅ローンより高めに設定されています。これは投資用物件と居住物件によって金利が違ってきますので仕方のないことです。
新たな住宅ローン審査が厳しくなる
先に不動産物件をローン購入し、後で住宅もローンで購入しようとすると、審査がかなり厳しくなります。
これは、金融機関が住宅ローン審査時に、不動産物件のローンを「負債額」と判断するためです。もちろんすべての住宅ローン審査が通らないというわけではありませんので、業者と相談してみるのも必要でしょう。
不動産収入(家賃収入)が返済額を下回る
例えば、不動産物件が空室が続いた場合は、その間収入がありませんので、ローンの返済額はそのまま負担となります。
空室リスクをはじめ、家賃が下落するなどのリスクには最大限備えておくべきです。
不動産購入時に大きな金額を融資してもらうには当然リスクも伴いますので、事前の勉強や準備、入念なリサーチなどが必要となってきます。
不動産投資の融資の業者を選ぶ方法やポイントは?
不動産投資の融資を受ける際、銀行などの金融業者はどういう基準で選べばいいのでしょうか。いい業者を選ぶためのポイントを解説しておきます。
事業規模が大きな業者は資本金が豊富
不動産投資の融資を受ける際、大きな金額を扱うわけですから、やはり事業規模が大きく、従業員数も多い大企業の中から選ぶといいでしょう。事業規模が大きいほど資金力もあるため、ひとまず安心できるでしょう。
歴史や実績がある
上の大きな業者とも重複しますが、やはり長い歴史で培った実績がある業者を選ぶことは大切です。無名で聞いたこともないような小さな業者はやはり避けるべきです。
ただ、歴史が浅くても経営基盤がしっかりしており、急成長中の業者も少なからずありますので、チェックしておくといいでしょう。
口コミなどの評価が良い
最近ではネットで簡単に業者の口コミも見れるようになりました。こういった口コミや評価を参考にするのは重要です。口コミ評判があまりにも悪い業者は避けるべきでしょう。
ただし、こういった口コミの中には、主観的な誹謗中傷が書き込まれているものも多いので、フラットな目で見る事も大切です。
担当者が信頼できる・誠実である
業者に電話で問い合わせた際や、実際に担当者に合った時の態度は非常に重要です。まず、第一印象がいいこと、そして話している内容だけでなく、人間的にも信頼できる誠実な担当者を選びましょう。
逆にいくら実績や知識が豊富でも、何となく相性が合わない人もいるでしょう。人と人との相性は千差万別ですので、業者に言って担当者を変えてもらいましょう。
デメリットもきちんと説明してくれる
業者の担当者も営業マンですので、ノルマがあります。その為、メリットばかり説明して売ろうとしてくる担当者も少なからずいます。
メリットばかりでなく、デメリットもきちんと説明してくれる担当者選びは重要です。
ライフプラン込みで提案してくれる
不動産投資は購入するのがゴールでなく、スタートです。自身の将来のライフプランもしっかりと説明したうえで、ライフプラン込みで提案してくれる業者や担当者を選びましょう。
物件を購入してから長い付き合いになりますので、なおさらです。
不動産投資の融資を受けるのが向いている人
不動産投資をするにあたり、融資を受けるのが向いているのはどういった人でしょうか?実際のケースを挙げていきたいと思います。
高くて安定した収入がある
不動産投資ローンの審査は、当然ながら本人の返済能力が重要視されます。その為、収入は高くて安定しているほど審査にも通りやすく、本人も支払いがしやすいということです。
他の借り入れが少ない
住宅や車など、他の借り入れローンがある人よりない人、あっても少ない人は有利です。不動産投資にローンを支払余裕があるとみなされ審査にも通りやすいです。逆に他からの借り入れが多く、ローン返済にカツカツであればずっと返済に苦しむことになります。
金融や土地家屋などの資産がある
まとまった金融資産や土地家屋など自己所有の資産がある人は向いていると言えます。不動産投資でローンを組む際、空室などの様々なリスクは避けられません。そういった時、自己資産が多ければ多いほど余裕を持って対処できます。
勤続年数が長い
最初に説明した高収入の条件ですが、そこまで高収入でなくても勤続年数が長いと信用度も上がります。審査も通りやすく、今後も安定した収入が見込める可能性が高いからです。
行動力があり動じにくい性格
不動産投資の当事者になれば、物件の購入から始まり、借り入れ、管理やメンテナンス、トラブル対策、そして売却など、様々な局面で冷静な判断力が求められます。
また、購入を検討している物件を調べるだけでなく、実際に現地に行って見てみる等の素早い行動ができる人は、いい物件を早く入手できる可能性も高いです。
ですので、多少の事には動じない冷静沈着な性格で、人並み以上の行動力がある方は不動産投資に向いた性格と言えます。
勤勉で合理的な思考を持っている
不動産投資は行動力や動じない性格だけでなく、真面目で勉強家であることが必須だと言えます。常日頃から入居率を高めたり、投資におけるリスク回避を考えたりする勤勉家で、合理的な思考力を持っている人に向いていると言えます。
不動産投資の融資を受けるのが向いていない人
次に、不動産投資や融資を受ける事が向いていない人の特徴を挙げていきます。
リスクを取りたくない人
何度も言うように、不動産投資は利回りは安定しているというものの、大なり小なりリスクを伴うものです。リスクを負いたくない、怖いと思う方は不動産投資に限らず、投資そのものには最初から手を出さない方がいいでしょう。
収入が低い、安定していない
融資を受けて不動産投資をする場合は、ある程度の金額を毎月返済していかなくてはいけません。
その為収入が極端に低い人や、業種上収入が安定していない人、またはキャリアアップしない転職を繰り返す人などは不動産投資には向いていませんし、審査にも通りにくいでしょう。
融資そのものに抵抗を感じる人
借入=ローンを組んでまで物件を購入する事に抵抗を感じる人には、不動産投資は向いていません。ローンを組んででもそれ以上の回収が魅力になるのが不動産投資ですので、レバレッジ思考ができない人にも向いていないと言えるでしょう。
過去の信用情報に傷がある
過去、債務整理をしたとか、自己破産の経験がある、また度々ローン返済などの延滞など金融事故がある場合、融資の審査にとってはマイナスポイントです。
不動産投資に興味はあるけど、過去に金融事故がある場合は事前に調べておくとよいでしょう。信用情報機関は、CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター(KSC)などがありますので、心当たりの方はこれらの機関へ情報開示を請求してみましょう。
決断力や行動力がない
「向いている人」の反対の性格の人です。不動産投資をおこなっている間は、様々なリスクに対する判断や行動力が求められます。
いざというとき決断しない人や、行動力の乏しい人は、そもそも不動産投資に向いていません。
他人の意見に左右されやすい
不動産投資を始める際は、しっかりと自分の将来得たい利益やライフプランまで見据えておこなうのが必要です。いわば軸がぶれない事が非常に必要です。
例えば業者の担当者の考え方や運用方法とは多少ズレがあるかも知れませんので、何でもかんでも鵜呑みにしてしまいがちな人は要注意です。
また、不動産投資をしたことのない友人や知人などの意見を聞き入れる事も軸がブレる可能性があります。他人の意見に左右され、自分の考え方や行動まで変えてしまいがちな人には不動産投資は向いていないと言えます。
不動産投資の融資を受ける手順や流れ
この章では、不動産投資の融資を受ける順序や流れを順に見ていきたいと思います。
物件の情報収集
まず、不動産投資する物件探しからスタートします。物件そのものの内容や不動産会社をはじめ、不動産を取り巻く環境や市況も細かく調べておきます。
また、前提的な話として、書籍やネット情報、無料セミナーなどを活用して、不動産および不動産投資、税金などの勉強をしっかりして知識を得ておくことは必要不可欠です。
物件探し
情報取集を入念におこなった後は、投資対象となる不動産物件を探します。インターネットや不動産会社の広告、時には物件エリアのタウン情報誌などを活用し広く探していきます。
また、新築か中古か、マンションなら区分か一棟買いか、ご予算や得たい収益によっても変わってきます。
買付証明書を提出する
ここまで探し、ご自身の投資に合った物件が見つかり、問題がなければ、不動産管理会社に「買付証明書」を提出します。
ただ、この書類の段階では購入意思を表しただけなので、まだ契約決定ではありません。
融資を申請する準備をする
物件が決まれば、融資の為の書類を準備します。投資物件では住宅ローンと書類が異なりますので注意が必要です。提出書類に関しては、不動産会社が教えてくれますので、それに従って用意していきましょう。
審査申し込み
必要な書類がそろったら、金融機関へ相談のアポイントを入れ、申し込みをします。
この金融機関は、物件の管理会社などが提携している金融機関を紹介してもらった方が無難と言えます。
自身で選んだ金融機関でも、「不動産投資に関して相談したい」と意思を伝えることが重要です。
金融機関の担当者と面談
金融機関も決まったら、必要書類を揃えていよいよ面談です。面談では、物件の収益性はあるか、本人の返済能力は十分か、ということに焦点が絞られます。
また、不動産投資は立派な事業ですので、担当者から事業計画について聞かれて際はきちんと答えられる準備をしておきます。
本審査の開始
面談の後は、金融機関が融資のための本審査をおこなっていきます。書類を参考にし、念入りにいくつもの項目が審査対象となりますので、時間は結構かかると思っていて間違いないでしょう。
場合によっては追加書類の提出を求められたりもします。
審査通過後、重要事項説明を受ける
まず、融資の決定=売買の決定ですので、宅建士による重要事項説明があります。不動産物件が合法かつ適切な物件であることを書面にて説明が義務付けられています。
融資を受ける手続きをおこなう
本審査を経て、融資可能と判断されればいよいよ融資の契約締結です。
その際、金融機関の担当者から融資額、金利、契約期間などの説明を受けます。また、「固定金利型」と「変動金利型」のどちらかを選択することになりますので、それぞれのメリット・デメリットを理解しておく必要があります。
説明を受けた後、不明点などはきちんと質問し理解しておきましょう。契約書に記名捺印すれば融資の手続きは完了です。
以上が融資を受ける大まかな流れです。不動産管理会社と金融会社両方とのやりとりを並行して行いますし、必要書類もたくさん用意しなくてはなりませんので、きちんと打ち合わせをし、手順をよく理解しながら進めていきましょう。
不動産投資の融資を受ける際の注意点や失敗しないポイント
ここまでのことも踏まえつつ、不動産投資の融資を受ける際の注意点や失敗しないためのポイントをおさらいしておきましょう。
返済計画を入念に立てておく
これは融資を受ける際に必ずしておくべき事です。特に不動産物件などの高額な融資の返済は、人生の長い期間を経て返済していきますので、甘く見積もるのは禁物です。
利回りも考慮して、あらゆるケースを想定して余裕を持った返済計画を立てておきましょう。
なるべく変動金利を選択する
融資の際、固定金利と変動金利の2つの選択があります。この際、変動金利を選ぶ方がメリットが大きいと言えます。
変動金利は長期金利により金利を見直すものですので、金利が上がれな返済額が上がるので不利と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。
一般的に変動金利の方が固定金利より安いこと、そして金利が上がると言は景気が上がるということは経済が上昇しているということです。ですので家賃も従来より上げやすく、売却を考える際も高く売れるということです。
利回りを事前に理解しておく
不動産投資の利回りは、不動産会社が広告などに記す「表面利回り」と、経費などを織り込んだ「実質利回り」の2つがあります。
投資をおこなうにあたってはもちろん、実質利回りのみで試算しましょう。不動産にかかる諸経費をきちんと把握し計算すれば事前に算出できます。
不動産会社のいうことを鵜呑みにしない
大手の不動産担当者の営業担当者の中にも、購入メリットや都合のいい事ばかりを話して物件購入を勧めてくる人もいます。
担当者も営業ノルマがあるので仕方がないのですが、悪質と思える担当者の話は鵜呑みにしないようにすることです。
先にも説明した通り、きちんとデメリットも説明してくれる担当者を選ぶほかにも、きちんと自分で勉強し、知識を得ておくことが重要です。
かかる税金をしっかり把握しておく
不動産投資物件は運用するうえで必ず税金がかかってきます。
税金の内容は、所得税、不動産所得税、登録免許税、印紙税、固定資産税、都市計画税、住民税、相続する場合は相続税、事業として購入する場合は個人事業税、そして、消費税の10種類になります。
かかってくる税金の率や金額を把握しておかないと収入を上回り、赤字になる場合もありますので、しっかり計算しておくことが必要ですし、節税対策をおこなう必要もあります。
借り換えのタイミングに注意する
不動産投資ローンを返済していくうちに、借り換えをした方がいいタイミングが出てくる場合もあります。
こちらも知識として持っておき、返済が安くなる場合は借り換えをおこないましょう。
以上が注意点や失敗しないポイントです。不動産投資や融資を受けるのは、業者や金融会社が主体ではなく、あくまで持ち主、借主であるあなたです。
投資家であるあなた自身がしっかりと勉強し、様々な局面で判断できる能力を身に着けておくことが不動産投資を成功させるポイントとなります。
不動産投資の融資のよくある質問
ここでは、不動産投資の融資についてのよくある質問をいくつかまとめてみました。
Q.会社勤めで忙しく、時間があまりありませんが不動産投資は可能でしょうか?
A.不動産投資は、株式などの金融投資と違って、契約すればメンテなどは管理会社に任せることができます。重要な事項だけ把握しておけば会社員との両立も可能ですし、むしろ忙しい方向けの投資と言えます。
Q.自宅のローンが残っていますが、不動産投資のローンは通りますか?
A.条件次第では通ります。ご自宅のローンの借り入れ状況や残債、そしてご自身の収入など様々な事項を審査したうえで返済可能と判断されればローンは通ります。
Q.マンションなどの設備の故障はオーナー負担でしょうか?
A.管理会社に委託している場合は、基本的に管理会社が負担して行います。自主管理で運用する場合はオーナー負担になることが多いですが、サービス会社と契約を結ぶなどすれば低コストで故障対応などをおこなうことはできます。
Q.不動産投資におけるローン特約とはどういった内容ですか?
A.融資を受けることを前提にして契約を締結した後に、ローン審査に落ちた場合、契約を白紙に戻すという特約です。
多くの場合、売買主両社の合意があれば契約でき、支払われたお金は返済されます。
Q.空室リスクを避けるためには、大都市圏のエリアの物件の方がいいでしょうか?
A.確かに東京などを中心とした大都市圏の物件は、人流も多いので投資物件として人気です。
しかし、地方でも立地がいい等の人気エリアは数多く存在しますし、購入価格も大都市圏に比べて安いです。一概に大都市圏がいいとは言えませんし、地方でも空室が少なくしっかりと利回りを得る物件は多数ありますし投資対象となっています。
Q.不動産投資ローンを組める年収はだいたいいくら以上でしょうか?
A.不動産投資をする際、融資が受けられるおよその年収は700万円以上と言われています。
しかし、700万円に満たない場合も融資は受けられる可能性はあります。例えば、日本政策金融公庫で審査を受けて通過すれば融資を受けることができます。
Q.会社で副業禁止なのですが、不動産投資はできませんか?
A.副業禁止の会社でも、例外的に不動産投資はできる可能性は高いです。これは、通常の副業と違って「資産形成」の一種ですので副業にはあたらないという考えが一般的です。
どうしても心配であれば、もちろん会社に聞いてみることをお勧めします。
Q.同じ予算で新築マンションと中古マンションを考えていますが、どちらの方がおすすめですか?
A.実質利回りを見ると、おおむね中古マンションの方が高いと言えます。
また、中古物件の方が過去の家賃や修繕、メンテなどの必要コストの運用履歴や実績があるうえ、管理費などの値上がりも少なく、利回りが計算しやすいでしょう。
いくら新築で綺麗だからといって人気はあっても、実際の利回りは厳しい結果になったりもします。
Q.不動産投資用のマンションをローン購入した場合、住宅ローンと同じく税控除は受けられますか?
A.投資用マンションの場合、居住用マンションと同じ税控除は受けることはできません。
これは、住宅ローンの税控除の場合、条件があくまで「自宅用」に適用されるからです。
Q.区分マンション投資を考えていますが、単身用とファミリー用どちらがいいですか?
A.単純に回転率、空室リスクの少なさを見れば、学生街やオフィス近郊のワンルームタイプの方がいいでしょう。入れ替わりの際の原状回復の費用も安くて済みます。
ファミリータイプマンションのメリットは、家族構成によっては長く居住してくれる可能性が大きく、利回りもワンルームより高めです。また、ローンが終わって売却をしたい際もワンルームより売却益は高くなります。
ご自身の投資スタイルに合わせて選べばいいと思います。
まとめ:不動産投資の融資を受けるならリスクを最小限にしよう
いかがだったでしょうか。
ここまでの記事で、不動産投資ローンの仕組みやメリット・デメリットなどご理解いただけたと思います。
不動産投資ローンをうまく活用する事によって、レバレッジ効果により大きな金額を得ることが出来たり、手元に自己資金を残しておくことで余裕を持った運用が可能になる事がお判りいただけたと思います。
ただ、不動産投資ローンは、やはりローンと名の付くものですので、無理のない返済額や返済期間を設定し、リスクを最小限にすることで、着実に資産を増やしていく事ができます。
興味を持たれた方は、物件を探してみるなり、金融会社に相談してみるなりすればいいでしょう。