不動産投資の成功率と失敗率についてお伝えします。
多額の資金が必要なため、ハードルが高いイメージの不動産投資。
なるべくリスクを抑えて、投資の成功率をアップさせたいという方も多いのではないでしょうか。
不動産投資の成功率と失敗率はどのくらいなのか、成功率アップに必要なモノや失敗しないための注意点と一緒に詳しく紹介します。
不動産投資の成功率・失敗率はどのくらい?
成功率・失敗率に関する正確なデータはない
不動産投資の成功率と失敗率に関する正確なデータは、存在しません。
公的なデータが存在しないため、正確な成功率と失敗率を把握することは困難です。
不動産投資の成功は投資目的によって異なる
不動産投資の成功は、投資目的によって異なります。
具体的には、家賃収入によって生計を立てられるだけの収入を得る、副業として毎月お小遣い程度の利益を得る、所得税・相続税の節税、生命保険代わり、老後資金に充てるなど、人によって不動産投資の目的はさまざまです。
不動産投資の成功とは、人によって異なる目的を達成することを指します。
そのため、不動産投資の成功定義を一概に決めることはできません。
【不動産投資の目的別】成功率の目安
目的別の成功率は、以下の通りです。
- 家賃収入のみで生計を立てる:10%以下
- 毎月利益を出す:20%~30%
- 相続税対策、副業として毎月利益を得る:50%以上
- 生命保険代わり、所得税の節税効果:70%以上
不動産投資の成功率に関するデータが存在しないため、おおよその数値です。
不動産投資の成功率は、投資目的によって大幅に変動することが分かります。
家賃収入だけで生計を立てられるぐらいの利益を得る目的では、成功率は10%以下のため、ハードルが高いと言えます。
しかし、現金を不動産にすることで不動産評価額を抑えて相続対策したり、副業として毎月お小遣い程度の利益を得たりする場合では、50%以上の成功率が期待できるでしょう。
生計を立てられる程の収入を得るのは難しくても、副業としてお小遣い程度の利益を得る目的であれば、成功する確率はアップする傾向があります。
また不動産投資は、生命保険代わりとしても有効な手段のひとつ。
不動産投資ローンを組む際に団体信用生命保険に加入することで、死亡や高度障害などでローン返済ができなくなった場合は、保険会社が残債を支払う仕組みです。
万が一の場合に、家族は無借金の不動産と運用による家賃収入が得られるため、生命保険代わりになります。
不動産所得のマイナス分を給与所得と損益通算することで、所得税の節税効果を得ることも可能。
家賃収入だけで生計を立てるのは成功率が低くハードルが高いですが、不動産投資の目的によっては、比較的成功しやすくなるでしょう。
目的別の成功率は概算であるため、具体的な成功率については、不動産投資の種類やそれぞれの状況によって違いがあります。
不動産投資で成功率を上げるために必要なモノ
不動産投資で成功率を上げるために必要なモノは、以下の通りです。
- 不動産投資に関する知識を身につける
- 収支をシミュレーションする
- 想定されるリスクに備える
- 実績豊富な不動産会社と信頼関係を構築する
それぞれ詳しく解説します。
不動産投資に関する知識を身につける
不動産投資に関する知識を身につけることは、成功率を上げるために必要です。
不動産投資関連の書籍や動画、セミナー、コミュニティへの参加など、さまざまな方法で学習できます。
不動産投資の経験から培われたノウハウや成功例、失敗例などもさまざまなツールで紹介されているため、参考にするとよいでしょう。
不動産投資の知識がないままでは、営業任せにしたり、他人の話を鵜呑みにしたり、自分で判断せずに他人任せにしてしまい、失敗する確率が高くなる可能性があります。
不動産投資の知識を深めることで、詐欺やトラブルを未然に防ぐ効果が期待できます。
収支をシミュレーションする
不動産投資の成功率を上げるためには、収支をシミュレーションすることも重要です。
空室率や修繕費など想定されるリスクや税金、必要経費を見込んでシミュレーションしましょう。
キャッシュフローの予測ができるため、将来の見通しも立てやすくなります。
想定されるリスクに備える
想定されるリスクに備えることで、成功率アップが期待できます。
不動産投資には、空室リスクや修繕リスク、家賃滞納リスク、災害リスク、金利上昇リスクなど、複数のリスクが存在します。
不動産投資のリスクは想定しやすい特徴があるため、事前に対策を講じることが可能。
あらかじめ備えられるため、リスクを回避できたり、ダメージを軽減できたりなどの効果が期待できるでしょう。
空室リスクには、将来的にも安定した需要が見込まれる物件を選んだり、入居者募集に強い賃貸管理会社に依頼したりなどで備えられます。
避けることが難しい災害リスクには、火災保険や地震保険に加入することで損害額のカバーが可能です。
実績豊富な不動産会社と信頼関係を構築する
実績豊富な不動産会社と信頼関係を構築することで、成功率が上がる可能性があります。
信頼できる不動産会社から、優良物件などの有益な情報を得たり、ノウハウを学べたり、不動産投資の強い味方になるでしょう。
不動産投資には、物件周辺の家賃相場や立地、入居者ニーズ、需要、修繕費がかかるタイミングなどの情報収集も欠かせません。
売却の際には、どのくらいの価格で売却できるのか、相場を把握することも重要です。
情報収集不足によって低い査定額で売却してしまい、損失を被るケースも少なくありません。
地域情報を熟知している不動産会社と信頼関係を構築できると、優良物件の情報が手に入ったり、正確な情報を手に入れられたり、成功率アップにつながるでしょう。
不動産投資で失敗しないための注意点
不動産投資で失敗しないための注意点は、以下の通りです。
- 物件のリサーチを徹底する
- 不動産投資の知識を深める
- 他人の情報を鵜呑みにしない
- 利回りだけで投資を判断しない
- 自分に合った不動産投資方法を見つける
それぞれ詳しく解説します。
物件のリサーチを徹底する
物件のリサーチを徹底することが重要なポイントです。
コンビニやスーパーマーケット、学校、病院、商業施設、立地、環境、家賃相場、入居率、入居者の需要、競合物件の有無など、物件周辺のリサーチは必要不可欠です。
駅やバス停からの距離など、利便性の高さもチェックしましょう。
インターネットでも調べられますが、自分の目で確かめることが大切です。
物件のリサーチを徹底することで、長期的に安定した需要が見込まれる物件を見極めることができれば、失敗を避けられる可能性があります。
不動産投資についての知識を深める
不動産投資について知識を深めるよう努力しましょう。
優良物件を見極めるためにも、不動産投資の知識は必須です。
投資判断を他人任せにせずに、知識を深めて自分で決断しましょう。
他人の情報を鵜呑みにしない
不動産会社の営業など、他人の情報を鵜呑みにしないように注意しましょう。
不動産投資の知識を深める努力をしたり、情報収集したり、他人の情報に振り回されないことが大切です。
確かな情報を見極めて、自分で判断しましょう。
利回りだけで投資を判断しない
計算方法 | 特徴 | |
---|---|---|
想定利回り(%) | 満室時の年間家賃収入÷物件の購入価格×100 | ・満室時の家賃収入をもとに計算する ・実際の利回りより高い数値になる ・税金や必要経費は考慮されていない |
表面利回り(%) | 年間家賃収入÷物件の購入価格×100 | ・現状の空室が反映されている ・税金や必要経費は考慮されていない |
実質利回り(%) | (年間家賃収入-年間の諸費用)÷(物件の購入価格+購入時の諸費用)×100 | ・税金や必要経費が含まれている ・現実に近い数値・見通しが立てやすい |
利回りとは、不動産の取得にかかった費用に対して、1年間の家賃収入の割合を表した数値です。
利回りには種類があり、それぞれ計算方法が異なります。
不動産投資の利回りは、以下の3種類です。
- 想定利回り
- 表面利回り
- 実質利回り
サイトや不動産会社で提示される利回りは、想定利回りや表面利回りがほとんどです。
想定利回りと表面利回りの計算方法は、以下の通りです。
想定利回り(%)=満室時の家賃収入÷物件の購入価格×100
表面利回り(%)=年間家賃収入÷物件の購入価格×100
想定利回りは、満室時の家賃収入を想定しているため、空室がある場合は実際の利回りと異なります。
想定利回りと表面利回りには、不動産運用で想定されるリスクや税金、必要経費などは計算に含まれていません。
どちらも実際の利回りより高い数値が出るケースが多いため、サイトに掲載された利回りを鵜呑みにするのは、非常に危険です。
しかし、実質利回りは、税金や必要経費を含んだ計算方法のため、現実的な数値の把握が可能。
実質利回りの計算方法は、以下の通りです。
実質利回り(%)=(年間家賃収入-年間の諸費用)÷(物件の購入価格+購入時の諸費用)×100
税金や必要経費、想定されるリスクへの備えも含まれているため、現実的な収益力を確認できます。
年間の諸費用には、管理費や修繕費、固定資産税、ローン金利、火災保険料、地震保険料など、購入時の諸費用には、仲介手数料や不動産登記費用、司法書士手数料、不動産取得税、収入印紙代、融資手数料などが含まれます。
空室リスクや修繕リスク、災害リスクなど、想定されるリスクへの備えも考慮されているため、実際の数値に近くなるでしょう。
不動産投資で失敗しないためには、掲載されている利回りだけで判断せずに、必ず自分で実質利回りを計算することがポイントです。
自分に合った不動産投資方法を見つける
自分に合った不動産投資の方法を見つけましょう。
自己資金額やローンを組むのか組まないか、投資スタイル、投資目的、現物不動産を所有するかしないか、リスク許容度などによって、最適な投資方法は異なります。
さまざまな要素から自分にぴったりの不動産投資方法を選びましょう。
不動産投資の種類・成功率が高いのは?
不動産投資は、以下の5種類です。
- アパート、マンション投資
- 戸建て投資
- REIT
- 不動産投資クラウドファンディング
- 駐車場経営
それぞれ詳しく解説します。
アパート・マンション投資
アパートやマンションを購入して賃貸物件として貸し出すことで家賃収入を得たり、売却益を得たりする投資方法。
アパートやマンションを一棟購入するには、数千万円〜数億円単位の多額な資金が必要になるため、不動産投資ローンを組む方がほとんどです。
入居者の家賃収入から、ローン返済額と必要経費を差し引いた分が毎月の利益になります。
高額の不動産を購入するには、不動産運用の実績が必要になるため、場合によっては、金融機関からの融資が受けられないこともあるでしょう。
一棟マンション投資では多額の資金が必要ですが、区分マンション投資は比較的少額でも始められると人気です。
アパート・マンション投資では、将来的にも安定した需要が見込める物件かどうかを見極めることが重要なポイント。
人口が増加傾向の人気エリアや駅、バス停から近い好立地など、継続的な需要が期待できる物件を選びましょう。
コンビニやスーパーマーケット、商業施設、病院、学校、周辺環境などのリサーチや、空室リスク、修繕リスク、災害リスクなど、不動産投資特有のリスクへの対策も必要です。
戸建て投資
戸建て住宅を購入して、賃貸物件として貸し出すことで家賃収入を得る方法です。
中古物件を購入して、リフォーム後に売却し利益を得ることも可能。
投資対象の物件は、新築から築年数が経過した中古まで、さまざまです。
築古物件では、数百万円程度から購入できるものもあります。
ローンを組まずに自己資金で賄うこともできるため、リスクが抑えられるでしょう。
運用次第では高い利回りが期待できたり、不動産投資のスキルを実践的に学べたりなどのメリットがあります。
戸建て住宅の入居者は、長期間入居するケースが多いため、空室リスクの低減につながるでしょう。
新築物件でも中古物件でも、物件の老朽化や設備の買い替えなどによる修繕費が発生します。
毎月計画的に積み立てたり、自分でリフォームやリノベーションしたり、工夫してコスト削減できるとよいでしょう。
REIT
REITとは、不動産を投資対象とした投資信託です。
REITは、複数の投資家からの出資金で不動産を購入・運用します。
不動産の運用から得られた収益や売却益を、口数に応じて投資家に分配する仕組みです。
証券取引所に上場しているため、株式と同様にリアルタイムでの取引が可能。
証券取引所が開いている時間帯であれば、買いたいときに買って、売りたいときに売れる流動性の高さが魅力です。
現物の不動産を所有する必要がないため、管理や運用の手間がかかりません。
少額から始められたり、プロが厳選した不動産に投資できたり、複数の不動産が組み込まれている銘柄もあるため、分散投資効果も期待できます。
一方で、株式相場の影響を受けやすい特徴もあるため、注意が必要です。
不動産投資クラウドファンディング
不動産クラウドファンディングとは、不動産への投資を目的としたクラウドファンディングです。
クラウドファンディングとは、インターネット経由で不特定多数の投資家から資金調達する仕組み。
スマホで気軽に不動産投資を始められると、人気を集めています。
ハードルが高いイメージの不動産投資を少額から始められたり、現物不動産を所有しないため手間がかからなかったり、高い利回りが期待できるなどのメリットがあります。
しかし、元本割れの可能性や中途解約できないものもあるため、始める際にはしっかり確認しましょう。
駐車場経営
所有している土地を駐車場として活用することで、駐車料金を得る方法です。
建物を建てないため初期費用が抑えられたり、将来売却しやすかったり、土地によっては大きな収益が期待できるでしょう。
駐車場経営には、以下の2つの方法があります。
- 月極駐車場
- コインパーキング
月単位の駐車料金を得られる月極駐車場では、契約期間が長期に及ぶため、長期的に安定した収入が期待できます。
コインパーキングでは、精算機やロック版の設置で無人運用ができるため、初期費用は必要ですが、経営の手間がかかりません。
立地や周辺環境によっては、安定した収益を得られる可能性があります。
駐車場経営では、使い道のない土地を有効活用することで収益化の実現が可能です。
しかし他の不動産投資と比較すると、収益性が低い傾向があったり、減税制度が適用されないため節税効果が期待できないデメリットもあります。
不動産投資の成功率に関するよくある質問
不動産投資の成功率に関するよくある質問を紹介します。
不動産投資を始める前に疑問を解消できるため、不安の軽減につながります。
事前にリスクを理解できるので、リスク回避にも役立つでしょう。
不動産投資はどれくらいの成功率?
不動産投資の成功率に関する公的なデータは存在しません。
そのため、正確な成功率を把握することは困難です。
また不動産投資の成功は、投資目的によって異なります。
目的別の成功率は、家賃収入のみで生計を立てられるのは10%以下。
副業として毎月利益を得る程度であれば50%以上、節税目的では70%以上の成功率だと言われています。
不動産投資の目的によって、成功率は大きく変動します。
不動産投資の成功率をアップさせる方法を教えてください。
不動産投資の成功率をアップさせる方法は、不動産投資についての知識を身につけることです。
不動産投資関連の書籍や動画、セミナー、コミュニティへの参加などから、自分に合った学習方法で学ぶことができます。
知識を身につけることで、他人任せにしたり、詐欺やトラブルに巻き込まれたりを防ぐ効果が期待できるでしょう。
「表面利回り」と「実質利回り」の違いは何ですか?
利回りとは、投資額に対してどの程度のリターンがあるのか、不動産の収益力を示す指標のひとつです。
表面利回りには、不動産の管理や運用で想定されるリスク、税金、必要経費などは含まれていません。
そのため、表面利回りでは、実際より高い利回りになる傾向があります。
一方で、実質利回りの計算では、税金や必要経費、ランニングコストなども含まれるため、現実的な数値の把握が可能。
不動産投資サイトに掲載されている利回りの多くは、表面利回りです。
必要なコストが数値に反映されていないため、サイトに掲載されている利回りを鵜呑みにするのは非常に危険です。
不動産投資では、必ず自分で実質利回りを計算してから投資を判断しましょう。
まとめ
この記事では、不動産投資の成功率と失敗率についてお伝えしました。
不動産投資の成功率と失敗率に関するデータは存在しません。
また不動産投資の成功と失敗の基準は、それぞれの投資目的によって違いがあります。
目的別の成功率は、不動産投資だけで生計を立てるには10%以下、副業して収入を得るには50%以上など、目的によって変化します。
不動産投資の成功率を上げるためには、不動産投資の知識を身につけることや想定されるリスクに備えることが重要。
サイトに掲載されている利回りだけで、投資を判断しないように注意しましょう。
知識を身につけたり、想定されるリスクに備えたりなどの事前準備をしっかりして、不動産投資の成功率をアップさせてくださいね。